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重み
「重み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
子を眺めていた。反《そ》らせた喉《のど》、膨《ふくら》んだ胸、爪先《つまさき》に
重みを支えた足、――そう云う妻の姿を眺めていた。
「取れないかしら?――取れない....
「春」より 著者:芥川竜之介
はり篤介の身分《みぶん》だった。殊に貧しげな彼の身なりはこの世俗的な問題に一層の
重みを加えていた。それを今彼等の問答は無造作《むぞうさ》に片づけてしまったのだっ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の蒲団の上へ来ては、よくごろりと横になった。――ちょうどそれと同じように、柔かな
重みがかかったのだった。お蓮はすぐに枕《まくら》から、そっと頭《かしら》を浮かせ....
「蜘蛛の糸」より 著者:芥川竜之介
人でさえ断《き》れそうな、この細い蜘蛛の糸が、どうしてあれだけの人数《にんず》の
重みに堪える事が出来ましょう。もし万一途中で断《き》れたと致しましたら、折角ここ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ても出仕する事は出来ぬ。されば、」修理はじっと宇左衛門の顔を見ながら、一句一句、
重みを量《はか》るように、「その前に、今一度出仕して、西丸の大御所様(吉宗)へ、....
「或る女」より 著者:有島武郎
弾力のある軟《やわ》らかい触感を感じていた。葉子の膝《ひざ》はふうわりとした軽い
重みを覚えていた。耳には子供のアクセントが焼き付いた。目には、曲がり角《かど》の....
「或る女」より 著者:有島武郎
線のような肩は骨ばった輪郭を、薄着になった着物の下からのぞかせて、潤沢な髪の毛の
重みに堪《た》えないように首筋も細々となった。やせて悒鬱《ゆううつ》になった事か....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
彼れは思わずその足の力をぬこうとしたが、同時に狂暴な衝動に駈《か》られて、満身の
重みをそれに托《たく》した。
「痛い」
それが聞きたかったのだ。彼れの肉体は一....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
鮮明にしない中に結婚なぞをしたか。妻のある為めに後ろに引きずって行かれねばならぬ
重みの幾つかを、何故好んで腰につけたのか。何故二人の肉慾の結果を天からの賜物《た....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
。その拍子に牛乳箱の前扉のかけがねが折り悪しくもはずれたので、子供は背中から扉の
重みで押さえつけられそうになった。驚いて振り返って、開きかかったその扉を押し戻そ....
「星座」より 著者:有島武郎
てやろう。案じることはない」
父は歩いた。おぬいも自分の肩に思ったより軽い父の
重みを感じながら歩いた。歩きながら父はいった。
「おぬい、お前はもう十四になるな....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
という事実を忘れなかった。いつからとなく我々の心にまぎれこんでいた「科学」の石の
重みは、ついに我々をして九皐《きゅうこう》の天に飛翔《ひしょう》することを許さな....
「春昼」より 著者:泉鏡花
もたせて、膝を枕にすると、黒髪が、ずるずると仰向いて、真白な胸があらわれた。その
重みで男も倒れた、舞台がぐんぐんずり下って、はッと思うと旧の土。 峰から谷底へ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、と呻かれて、ハッと開くと、旧の足で踏みかける。顛倒して慌てるほど、身体のおしに
重みがかかる、とその度に、ぐ、ぐ、と泣いて、口から垂々と血を吐くのが、咽喉に懸り....
「橋」より 著者:池谷信三郎
うのです。 君は幸あふれ、 われは、なみだあふる。 もしも彼女が、嘴の
重みで、のめりそうになるほど嘲笑しても、私は、もう一度言いなおそう。 さいは....