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重任
「重任〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重任の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
慶長十九年大阪冬の陣の和が媾《こう》ぜられた時に、判元見届《はんもとみとどけ》の
重任を辱《かたじけな》くしたのを始めとして、寛永十四年島原の乱に際しては西国《さ....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
んだのはこれが初めてだった)どうか。俺を救ってくれ、俺は破産した自分の家名を興す
重任を帯びているのだ。食うや食わずで逼塞《ひっそく》している俺の両親は、俺の成業....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
とすることたびたびであった。が、非業に殪《たお》れた父の無念を思い、中川家再興の
重任を考えると、奮然と志を奮い起すのであった。 江戸を立ってからちょうど九年目....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
もないこと、より以上に許せないのは四人のその身分です。御禁中警固、京一円取締りの
重任にあるべき所司代詰の役侍が、その役柄を悪用して不埒《ふらち》を働こうとしてい....
「海底大陸」より 著者:海野十三
どおどろいたのはジム水兵だ。 「あっ、うつんですか。こっちをうっちゃいやですよ。
重任をおびて、ここにきているジム水兵がいるんですからね。見落としちゃいけませんよ....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
敵は十数ヶ国の兵を集めて優勢である。味方は、河内和泉などの寡兵である。南朝恢復の
重任を以て任じて居たものの、正行も、到底勝つべき戦とは思っていなかったであろう。....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
日本はすでにドイツ風なるものの流行を感じたり、しかのみならずかの井上伯はその
重任たる条約改正を成就せんには欧州各国の風習を日本に入れ、欧州人をして日本をその....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
いものになって行った。半蔵としては、本教を振るい興したいにも資力が足らず、宮司の
重任をこうむりながらも事があがらない。しまいには、名のつけようのない寂寞が彼の腰....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
。一号機の出発用意よろしい」 すると艦橋の艦長は、わざわざ伝声管にとりついて、
重任の柳下航空兵曹長に、こまごまと任務について訓令するところがあった。 「――分....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
世子を挙げて大いに努力してもらいたいとの両侯の考えもあったろう。けれどもあまりに
重任であるからなお退いて考案の上お答をしましょうといって、世子は将軍の御前を退か....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
、今までの浅からぬ主従関係はさらに血族の縁に深まり、末代まで主家の屋台骨を背負う
重任を定められたのであった。 これも一ツには彼の父が二心なき番頭として今日の主....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
、無いが、牧、お前は、牧仲太郎の子として、又、調所殿のあずかり子として、なかなか
重任がある。女にべたべたしている身でもなければ、時でもない。尤も、袋持に聞くと、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
初まって以来の大作であった。それを私が一個の手でそれを製作するというは容易ならぬ
重任、生やさしいことではこの役目は出来ないのであるから、私も修業のためにもなるこ....
「かたき討雑感」より 著者:岡本綺堂
奥州の泰衡がほろびると、その翌年、すなわち建久元年の二月に、泰衡の遺臣|大河次郎
重任(あるいは兼任という)が兵を出羽に挙げた。その宣言に、むかしから子が親のかた....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
勇敢だ。この間の空襲で、婦人科から発火した時は隣の皮膚科の屋上に独りいて、監視の
重任を果たしたのだった。私らが婦人科の炎にバケツをもって駆けつけた時、まだ敵機は....