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重器
「重器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
重器の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
しろしょいん》の床の青磁《せいじ》の花瓶が、何者の仕業ともなく壊された。細川家の
重器の一つであった。甚兵衛は素破事《すわこと》こそと思った。このお咎《とが》めを....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
て、藩祖を祀った鶴島神社の大祭が行われたが、その時旧城の天主閣において、伊達家の
重器展覧会が開かれた。その折り場内に陳列されたものの中に、旧幕時代に佐竹家より伊....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
こうはん》』二四には、天正十七年四月、秀吉初め男子(名は棄君)を生む、氏郷累代の
重器たる、秀郷|蜈蚣《むかで》射たる矢の根一本|献《たてまつ》る、この子三歳で早....
「ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
レベルは射的店の風車に似ている。 四時間前、鞄は巴里の飛行会社で白エナメルの計
重器の上にあった。いまそれはロンドンのただなかにある。ホテルの古風なセセッション....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
川越中守が不覚に氏郷所有の佐々木の鐙《あぶみ》を所望した時には、それが蒲生重代の
重器で有ったに拘《かかわ》らず、又家臣の亘利《わたり》八右衛門という者が、御許諾....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ひとりが、外套手荷物その他機上へ運び入れるもののすべてを身につけたまま、順々に計
重器のうえに立たされて、体重とその衣類手廻品の総合重量を取られる。彼女が呼び上げ....
「三国志」より 著者:吉川英治
彼の書簡にもこう見える。 =瞻今スデニ八歳、聡慧愛スベシ、タダソノ早成、恐ラクハ
重器タラザルヲ嫌ウノミ 彼は八歳の児を見るにさえ、国家的見地からこれを観ていた....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
はこれを以て、官兵衛の胸に信長をうらむ心を植えつけ、そしてこの者を自分の陣営中に
重器として用いようと努めたものであることはいうまでもない。 その程度の人間の肚....