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「重四〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

重四の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
たのみましたよ、だあさん。ほほ、ほほほ。ごぞんじより。笑っちゃいかん! 僕は金森重四郎という三十五歳の男だ。妻もいることだし、ばかにするな。いったい、どうしたと....
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
来る。するとまた一つのは「スットコチーヨ」を終わって「ジー」に移りかけている。三重四重、五重にも六重にも重なって鳴いている。 峻《たかし》はこの間、やはりこの....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て今年三十五になるが、まだ独身で実直に帳場を預かっている。ほかには源蔵、長太郎、重四郎という若い者と、勇吉、巳之助、利七という小僧がいる。それに主人夫婦とお雪と....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
であるせいか、白いロイスがいっそう純なものにみえる。 「折竹さん、あなたは三上重四郎というお国の医学者を、ご存知でいらっしゃいますね? パタゴニア人に保護区政....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
はいろいろの対策がとられて、或る程度の効果をあげている。すなわち特攻隊の通路に三重四重に戦闘機隊の網をはる事、弾幕を完全なものにするため船舶の対空砲火を増大する....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
いたちのような小獣と格闘するときの身構えが実におもしろい見ものである。前半身を三重四重に折り曲げ強直させて立ち上がった姿は、肩をそびやかし肱を張ったボクサーの身....
しかし昔にはかえらない」より 著者:宮本百合子
させるところがあった。火野葦平が同人雑誌の活溌化にふれて語っている自身の、陰忍自重四年の間待った甲斐あるこんにちのよろこびは、いかにも意味がふかい。首相は朝鮮で....
今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
「いや、私はまだ対策があると思うんだ。もっと防空壕を深く掘るとか、出入口の扉を三重四重にするとか、政府が努力するつもりなら、もっといい防空壕が出来る筈だ。そう思....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
いう大円だ。これが防空監視哨の最も外側に位置をしているもの、それから以内には、三重四重に監視哨を配置してあるんだが」 「聴音隊はどうです」 「聴音隊はその内側に....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ころへ集ってきた。二千メートル以上の上空をとんでいる日本機の翼に、照空灯が二重三重四重に釘づけになっている。 「誰かあれを飛行機で追いかける者はいないか」 と....
保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
鹿なみの巨石を使うわけにいかないが、仕事はタンネンにやった。石ダタミも石の壁も三重四重に張ってセメントをつめ、天井石も落ちないように応分の工夫をこらした。石細工....
殺意(ストリップショウ)」より 著者:三好十郎
自然にスラスラと使いわけて行くだろう 二重生活といいたいが、私の知らない所では三重四重になっているかもわからない そういえば、大学の講師と文筆と講演などの稼ぎだ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
果たせるかな、想像以上なものを見た。 木の根に縛られている又八と、その又八を三重四重に黒々と取り巻いて、彼の肉片でも要求しているような群犬の旋風である。 犬....
遠野物語」より 著者:柳田国男
う。此所に近き館の名はボンシャサの館という。いくつかの山を掘り割りて水を引き、三重四重に堀を取り廻らせり。寺屋敷・砥石森などいう地名あり。井の跡とて石垣残れり。....