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「重油〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

重油の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
ンに違いないと思った。が、しばらく眺めていると、蜥蜴はいつか砂利に垂れた一すじの重油に変ってしまった。 保吉はやっと立ち上った。ペンキ塗りの校舎に沿いながら、....
深夜の市長」より 著者:海野十三
ると、人骨なんか粉々になって、形を止めないだろう。それはこの頃の火葬場のように、重油を使って焼いた屍体を見るがいい。実によく焼けているからねえ。あれをもっと火力....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
にやられて、海底にもぐりこんだそうですが、特務機関の報告によると、海面に湧出した重油の量が、ちと少なすぎるという話ですな」 「ほほう、そうかの」将軍は初耳らしく....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
だな。これア秘密だろうと思うんだが、千島の一番端の島に、コッソリ大砲を運んだり、重油を運んだりしているそうだ。 「俺初めて聞いて吃驚したんだけれどもな、今までの....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
。 火柱も閃光も、ともに消え去ったが、あちらこちらから、濛々たる火煙が起った。重油やガソリンが燃えだしたのである。 中尉が、塹壕の中で起き上ろうとしていたと....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
「ちがう。わしは嘘をいわん。真正真銘の九万九千トンの巨艦だ。立派に大砲も備え、重油を燃やして時速三十五ノットで走りもする。見本とはいいながら、立派なものじゃ。....
地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
ん草のスープだよ」 「うわーッ」 氷山 アーク号は、全機関に、せい一杯の重油をたたきこんで、全力をあげて吹雪の中を極地へ近づこうと、大骨を折っていた。 ....
太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
砲が一向役に立ちません。 そこへまた、あちこちで魚雷が命中して、大爆発が起る。重油が燃え出す。積みこんだ火薬に火がついて爆発がさらに一段と激しくなる。そうなる....
人造人間事件」より 著者:海野十三
「墨汁ヲ吹イタヨウニ、砲煙ガ波浪ノ上ヲ匐ッテ動キダシタ」 何にも動かぬ。 「重油ハプスプス燃エヒロガッテユク」 「重油」――という所で、人造人間はクルリと左....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
でもって、半裸体で働いている部員に伝えられてゆく。 「二十ノット。よろしい、いま重油の弁をあけるよ」 弁を預かっていた面長な男が、大きなハンドルをしずかにまわ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
絞り出す空気はないようだ。殊に九月の初め頃の残暑の汗は、油汗といって皮膚の表面は重油を塗られた如くべっとりとして、終日乾燥しない傾向がある。悪性の汗だ。その重油....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
に関与せず、お前は一たいいつの世からフィンランドなる深林の奥に実在していたのだ?重油のような湖面に島と木と空の投影が小ゆるぎもしないで、鳥も鳴かず、虫も飛ばず、....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
度で測られる。軍国の兵力の強さもある意味ではどれだけ多くの火薬やガソリンや石炭や重油の煙を作り得るかという点に関係するように思われる。大砲の煙などは煙のうちでも....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
の所へ動いた。 大粒の雨がぼたぼた降りだした。指頭大の黒い雨で、くっついた所は重油か何かのように色がついた。これは上の魔雲から落ちてくるようだった。情景はいよ....
硝子を破る者」より 著者:中谷宇吉郎
発させるのである。 私たちの方法も偶然それと原理は一致したので、トラックの上に重油の完全燃焼装置をとりつけ、それから出る熱気に大量の空気を混ぜて送風器で送り出....