» 野ざらし

「野ざらし〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野ざらしの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
かりと抱き合って横になりました。 ふたりが横たわっている石造建築の広い内部は、野ざらしよりもっと寒さがひどいのでした。そのふれるもの一切を凍らせずにはおかない....
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
とや、彼女の医師の側の差し出がましい熱心な詮索《せんさく》や、一家の埋葬地が遠い野ざらしの場所にあることなどを、考えたからであった。私がこの家に着いた日に、階段....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
鍬組小侍たちのうしろに、黙って立ちはだかりました。 勿論下総十五郎の啖呵は、大野ざらしの彫り物の中から、井水のように凄じく噴きあげている最中なのです。 「べら....
川端康成へ」より 著者:太宰治
この作品が判るにちがいない、と言った。 そのうちに私は小説に行きづまり、謂わば野ざらしを心に、旅に出た。それが小さい騒ぎになった。 どんなに兄貴からののしら....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
もう秋の終りだね。いくら晴々とした日の光でも、云うに云われぬ悲愴な冷かさがある。野ざらしを心に風のしむ身かな この句は僕は口の中で繰返し繰返し歩いたものだ。....
大衆の知恵」より 著者:中井正一
である。 しかも、その冷凍が、この蒸しあつい一九〇〇年代に、一度に開放されて、野ざらしになっていることである。冷凍の常ながら冷たいまますぐ腐っていく可能性がじ....
日記」より 著者:宮本百合子
学に手紙を送らせるか。 若し私の手紙を夫人がよまれたら、何と感じられるか。 「野ざらし」を思うこと切だ。 もう、今の自分は、自分の心にあるぐうたらさを知らな....
芭蕉について」より 著者:宮本百合子
と形象の世界へ突入してゆくことで天地の生気の諸相を捉えようと歩み出した。それが、野ざらしをこゝろに風のしむ身かな 秋十とせ却つて江戸をさす古郷 にはじまる「野....