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「野伏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

野伏の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
房が老躯を提げ、和泉に出馬し、堺にある師泰に対抗して居た。亦四条隆資は、河内等の野伏の混成隊を以て、生駒山方面の敵を牽制して居る。『太平記』は正行の奮闘は詳説す....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
置いて上げますから、ちょっとの間でいいから、そうなさい。今までこの深い山々谷底を野伏《のぶせり》同様の姿で道行をして来た仲じゃありませんか、あたしの身になっても....
南国太平記」より 著者:直木三十五
針のように突き刺した。小太郎が振向いて、声のした家を、睨むと 不憫や、明日から、野伏《のぶせ》りかあ 二人の職人が、家の中の板の間へ坐って、雨の降ってくる往来....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、先の家老志津之助が、伝役《もりやく》萩之進らとかたらって、たまたま通りあわした野伏乞食《のぶせりこつじき》の子が源次郎さまに生写《いきうつ》しなのをさいわい、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
に加代姫などを突きおとしたら、あなたは生涯うだつのあがらないことになりますぜ。『野伏大名』のときの例もあるでしょう、突っぱらずに、あたしの言うことを聴いてくださ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
の尼さんがなにをそんなに恐怖しているのかを怪しんだ。――で、彼は、尼さんが自分を野伏りの追剥とでも誤解しているのではなかろうかと思い、 「オオ、もうそんなに青い....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
う他国者の衆に知れることじゃない。――あの山には、馬や野菜物さえのべつ攫ってゆく野伏りが、たんと巣を喰うているそうな。おおかたそんな無頼者の仕業であろうが」 ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
のまとであった。 それだけに、西園寺家では「――いかなる悪党の仕わざか。もしや野伏から人買いの手にでも渡されてか?」などと、全家の憂いをあげて、八方せんぎの手....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いた。 だが、先ごろから彼の潜伏していた荒陵一帯の村々に、いつとはなく、諸方の野伏が寄って来て、自然な水溜りへ水が嵩むように、それが千人ちかくにもなって来ては....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、たまたま家人のうわさにでものぼれば「……悪四郎か。そうだなあ。たぶんは、よくて野伏りの頭にでもなっているか。さもなくば、散所民の中にでも落ちていることか」と、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ここに、赤松一族の者で佐用ノ三郎|範家というのがあった。 日ごろ、この界隈の野伏をかたらって、乱波組(第五列)をつくり、放火とともに、敵の中へ混み入るのを妙....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、南朝方には、正行の楠木勢以外にも、四条|隆資を大将とする「――和泉、紀伊などの野伏ども二万余人」と、太平記もいう後ろ備えはあったのである。けれどこれ以外には、....
特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
、やはりこの徒の堕落したもので、平安朝頃の書物には野宿などともあります。すなわち野伏です。その浮浪民の仲間にも、それぞれ仲間の規則がありまして、既に千百年ばかり....