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野営
「野営〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野営の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
、左程の振動でもないが、余り好《い》い気持のものでもない。しかしこんな高山絶頂の
野営中に地震に出逢うとは、一生に再び有る事やら無い事やら、これも後日一つ話《ばな....
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
》のまばらに生えているもう一つの丘があった。そこには、同じ五十五師団の野砲隊が、
野営をしていた。翌朝、広い平原の上に夜が明けると、白い霧がいっぱいに、土地を圧し....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
へ進んでゆく途中、ある小さい村落に泊ることになったが、人家が少ないので、大部分は
野営した。柳の多い村で、張訓も羊得も柳の大樹の下に休息していると、初秋の月のひか....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。そして、しだいに廊下の彼方へ、薄れ消えてゆく唱声があった。
狩猟の一隊が
野営を始めるとき
雲は下り、霧は谷を埋めて
夜と夕闇と一ときに至る
それは....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
行は、九死一生の惨めな目に遇わされた。 石・苔・偃松(白河内岳に登る記)
野営を撤して、濡れそうなものは油紙で包み、岩伝いに北を向いて、大籠山と後で名をつ....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
へと辿りついたが、残雪は六尺ばかり高く築いて、添った壁を蝕っている、奥穂高の前に
野営に適したような窪地があったが、石ばかりで、偃松の枝一本見つからないほどだから....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
とこの忠実な犬はわたしたちといっしょにまつ葉の上でねむろうとはしないで、わたしの
野営地の入口に、歩哨のように横になっていた。わたしはカピが番をしてくれればだれも....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
、身に沁みて半夜の宴が語りたい。 幼稚な演説会。謄写版ずりの回覧雑誌、山登りと
野営(キャンプとはまだ言わなかった)幻燈器械と印象に残っている。「霧の海」という....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
沙漠へ打ち入った。 幾日も幾日も一行は沙漠を渡って行く。…… もうここで十日
野営を張る。いつまで
野営をするのだろう。いつまでも
野営をするがいい。私はそれを希....
「火と氷のシャスタ山」より 著者:小島烏水
それに競べると、さほどの物ではない。ホールス・キャムプという平地に出で馬を下り、
野営の仕度をする、海抜九千尺、水も少しはある。今は(一九二二年の春から)このとこ....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
。朝早く司令官がご婦人がたをつれてこられました。ラッパの音が高らかに鳴って、この
野営地全体を目ざませます。私は、いっさいの準備ができていると報告しました。ご一行....
「釜沢行」より 著者:木暮理太郎
ろう。中央の稍や平な所に黒い塊があるのに気が付く。よく視ると焚火の跡である。誰か
野営したものに相違ない。今迄まさかと思って半信半疑であった二人の心は、この確な証....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
分最初の鞍部。四時二十分菅沼北方の千四十米の峰より右に下り、十五分にして水を得て
野営。 湯元の耕地を離れて、金精峠の登りにかかるあたりの森林は、いつ見ても美し....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
て空しく二時間半を費やし、五時、漸く出発。奥平沢を過ぎて、六時片貝川の沿岸砂地に
野営。 日本晴れのした朝の日本海は、山へ急ぐ私達の身にも快よかった。 昨夜は....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
原は水が退けてまだ間もないのか、蹈むとじめじめして心地が悪い。仕合谷の方にも好い
野営地がないので、今下りた沢の突き当りの大岩が堰き止めた乱石の上を平にして泊り場....