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野心家
「野心家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野心家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
から叫ばれた。傍若無人《ぼうじゃくぶじん》に何か柿江と笑い合う声がしたと思うと、
野心家西山と空想家柿江とはもつれあってもう往来に出ているらしかった。
清逸の心....
「虚構の春」より 著者:太宰治
かな》。)などと傲語《ごうご》してみる。彼は偉大なのらくら者、悒鬱《ゆううつ》な
野心家、華美な薄倖児《はっこうじ》である。彼を絶えず照した怠惰の青い太陽は、天が....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
はさしものN市の大家産を傾け尽そうとして居るのですよ。好い奴ですが、どうも幼稚な
野心家でね。文学だ、美術だ、でさらんぱらんになりそうですよ。」私「△さんの店の最....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ていやがる!』こう肚《はら》の中で考えた。『鉄面皮即カラマゾフ的良心だ!』
七
野心家の神学生
アリョーシャは長老を寝室へ助け導いて寝台の上へ坐《すわ》らせ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
いた。したがって彼に、贅沢などは絶対に許されなかったが、彼は控え目がちで、しかも
野心家であったので、その友人たちのうちには稀には極端な節約家の彼に散財させて、一....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
のをかいて、世界中で一ばんえらい画家になることですわ。」 「ぼくたち、なかなかの
野心家ですね。ベスのほかは、金持になり、有名になり、あらゆる点でえらくなろうとい....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
すものである。自由に解き放された舟は、まっすぐに暗礁を目がけて進んでゆく。かくて
野心家のメルキオルは女中|風情《ふぜい》と結婚した。とは言え、彼女と生涯の約を結....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
立ちのぼる力の火炎である。その大なる竈《かまど》のまわりに席を有しない人々も――
野心家、利己主義者、空疎な遊蕩《ゆうとう》児なども――その色|褪《あ》せた反映に....
「雪の宿り」より 著者:神西清
だがこの男も結局は俺の心を掻き立てては呉れぬ。小さいのだ、下らぬのだ。あれほどの
野心家なら、どこの城どこの寺の隅にも一人や二人は巣喰っておる。それでは蔭凉軒はど....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
陽にゆき、更に※中に行き廬山に入った。 玄宋皇帝の十六番目の子、永王というのは
野心家であったが、李白の才を非常に愛し、進めて自分の幕僚にした。 安祿山と呼応....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
り、光栄と恥辱とがその位置をかえ、一時的な喜びのために永遠の喜びが台なしにされ、
野心家が権力の地位について真の愛国者を牢獄につなぐ、というようなことになりがちな....
「光は影を」より 著者:岸田国士
遠矢幸造の勉強ぶりは、思つたより真剣で、記憶のわるさを補う子供のような素直さと
野心家独特の負けん気とで、教える方でも、わりに張合いがあつた。 ひと通り句切り....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は一つこの意気組みで会を起そうではないか。今、この場合に拵えて置かんとまたこの後
野心家が面倒なことをやり出すかも知れん。今会を起せば三百人や二百五十人位の会員は....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
は一切関係を絶っておりました。ブラスビイユはずいぶん卑劣な性で、それでいて浅薄な
野心家でして、両海運河事件には実に醜劣な仕事をしていたのでございます。収賄ですか....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
だった。ヘンリイ・カッフは向こう見ずでひにくやである。伯爵の姉妹たちはあまりにも
野心家であり、彼の母は、女王との生涯にわたる確執で、エセックスの宥め役になるには....