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野槌
「野槌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野槌の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ち》は野蛇《のへび》の霊異なるを崇《あが》めたものと思う。今も和泉、大和、熊野に
野槌と呼ぶのは、尾なく太短い蛇だ(『東京人類学会雑誌』二九一号の拙文を見よ)。そ....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
交際費百両を要した。しかもそれは平常の費である。吉原に火災があると、貞固は妓楼佐
野槌へ、百両に熨斗を附けて持たせて遣らなくてはならなかった。また相方|黛のむしん....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
た、わが邦中国のトウビョウ蛇神が、体短く中太いというについて、必ず聯想さるるは、
野槌《のづち》という蛇である。『沙石集』に叡山の二僧相約して、先立ちて死んだ方が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ヨウトテ、隅カラ隅マデ見セテ、リキンデ見セタガ、大キニ恐レタ様子ダカラ、直チニ佐
野槌ヤヘハイッテ、女郎ノ器量ノソノウチデ一番トイウノヲアゲテ遊ンダガ、桜ノ時分ダ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
と、この娼を家の大黒柱に比べおる。四壁庵の『忘れ残り』上巻に、吉原江戸町三丁目佐
野槌屋の抱《かか》え遊女|黛《まゆずみ》、美貌無双孝心篤く、父母の年忌に廓中その....
「多神教」より 著者:泉鏡花
むくり、ぶくぶくと横にのたくりまして、毒気は人を殺すと申す、可恐く、気味の悪い、
野槌という蛇そのままの形に見えました。なれども、結んだのは生蛇ではござりませぬ。....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
町の砂糖問屋、同所堀留大伝(砂糖問屋)、新川新堀の酒問屋、吉原では彦太楼尾張、佐
野槌、芸人では五代目菊五郎、市川小団次、九蔵といった団蔵、それから田舎の方では野....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
う人の性格を浮彫りにしているとおもう。 家出したお久は長兵衛の出入先、吉原の佐
野槌《さのづち》(速記本では角海老になっている、圓馬は佐
野槌で演っていた、圓朝自....