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野毛
「野毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
を出た。
往来に出るとその旅館の女中が四五人早じまいをして昼間《ひるま》の中を
野毛山《のげやま》の大神宮のほうにでも散歩に行くらしい後ろ姿を見た。そそくさと朝....
「非凡なる凡人」より 著者:国木田独歩
と五郎と二人でこの弟の処置に苦心している。 今年の春であった。夕暮に僕は横浜|
野毛町《のげまち》に桂を訪ねると、宿の者が「桂さんはまだ会社です」というから、会....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
柱之珂玲《はしらのあかれいの》祝詞《のりと》」の首文とまでなっていて、『淵上村神
野毛《ふちがみむらかみのげに》馬埋有上《うまうずめありて》爾|雨之夜々《あめのよ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に横浜の港が開かれると、すぐに海岸通り、北仲通り、本町通り、弁天通りが開かれる。
野毛の橋が架けられる。あくる万延元年の四月には、太田屋新田の沼地をうずめて港崎町....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
うのであった。ところが終列車で、浜が留まりだったから、旅籠も人目を憚って、場末の
野毛の目立たない内へ一晩泊った。 (そんな時は、) と酔っていた夫人が口を挟ん....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
の車をひいて家を出かけて行つた。 五月の、よく晴れたある日であつた。 横浜は
野毛通りの、とある橋の袂へ車をおいて、狐光老はしん粉で花を造つてゐた。 麗かな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
し舟も見える。ある日も寛斎は用達のついでに、神奈川台の上まで歩いたが、なんとなく
野毛山も霞んで見え、沖の向こうに姿をあらわしている上総辺の断崖には遠い日があたっ....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
く行く割烹料理店の粋月から聞き取ったものであったが、この切符はその粋月の料理人の
野毛兼吉が買って来たものであった。田鶴子は間違いなく二十四日の昼間上野駅を出発し....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
た地上五十尺の高さを持った大倉庫は跡片もなく崩れ落ちて、そのかわりに思いがけなく
野毛の山が見えるのであった。ああ、倉庫の中にいた人たちは、どうしたであろうか。彼....
「魔都」より 著者:久生十蘭
横綱。前者は日暮里に本宅があるから一口に道灌山といい、後者は横浜に本拠を置くから
野毛山と称え、親分御用の節はいつにても一命を、という誓紙を立てた血気盛んなる数千....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
の中に沈み、窓ガラスの爆風除けの紙だけが空明りの反射でほの白く浮きあがっている。
野毛山のほうから軽そうな飛行機が一機入ってきて頭の上でゆるゆると旋回しだす。闇の....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
こへ來ることになつているんだよ」 「うん、それが急に來られなくなつたから、ジカに
野毛の方へまわるから、君に先きに行つてくれだつて。九時三十分には必らず行くからつ....
「樹氷」より 著者:三好十郎
んてこと、出来る道理は無いじゃありませんの! いえ敏行さんは、ズーッとこの横浜の
野毛あたりに住んでいるそうでね、一度私も行き会ったことがあるの。なんか、とてもガ....