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野良着
「野良着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野良着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「共同耕作」より 著者:宮本百合子
裏のくぬぎ林のあっちをゴーゴーと二番の上りが通った。 とめはいそいで自分のたべた飯茶碗を流しの小桶の中へつけると、
野良着へ手拭をしっかりかぶって、土間から自転車をひき出した。 「もう行くか」 「....
「親友交歓」より 著者:太宰治
、私は昼食をすませて、母屋の常居という部屋で、ひとりぼんやり煙草を吸っていたら、
野良着姿の大きな親爺が玄関のたたきにのっそり立って、 「やあ」と言った。 それ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
。 農村とはこれに反して、貧乏人のことでもあったり、村役場のことでもあったり、
野良着を着た風景でもあったりするらしい。こういう曖昧糢糊とした点がお伽噺しという....
「秋の反射」より 著者:宮本百合子
数人いた。植村婆さんは、若い其等の縫いてがいやがる子供物の木綿の縫いなおしだの、
野良着だのを分けて貰って生計を立てて来たのであった。沢や婆のいるうちは、彼女より....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ょう。イナゴはスフが何故か大変すきなのですって。歯ざわりがいいのでしょう。スフの
野良着をきて出ると、イナゴがワラワラとびついて来て忽ちくい切られてしまう。スフ入....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
せもするし。 面白いでしょう、今石粉を一袋 1.10 売りました。めくらじまの
野良着に合羽姿の爺さんで、石粉かどうかと散々念をおして、それからおつりに新しい五....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
郎は聞き耳をたてる人々にたのしそうな視線をそそいだ。 「定助は殺された日に限って
野良着に着かえて日の暮れ方に家を立ち出ましたが、自分の畑を通りこして、もっと先の....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ど掘りだしてもらった。それを買ってザルに入れて持ち帰り、次には知り合いの百姓から
野良着を借してもらい、ホンモノの百姓そッくりに変装し古ワラジをはいて適当にホコリ....
「錦紗」より 著者:犬田卯
十銭や十銭一銭など十数個入っていたのだった。十円は母からことずかって兄貴と自分の
野良着に仕立てる紺木綿を買う予定のもの、そして残りの五円なにがしこそ、この前買え....
「競馬」より 著者:犬田卯
と、もうたまらなかった。お祭の朝の小学生のように彼の胸は嵐にふくらんでしまった。
野良着の裾を下ろした彼は、そのまま宙を飛んだ。町の郊外にある競馬場は、もう人で埋....
「炎の人――ゴッホ小伝――」より 著者:三好十郎
馬車との油絵を描き上げて帰った。河水も同じ青、河岸はオレンジ色で、緑の草が繁り、
野良着を着て色とりどりの帽子をかぶった洗濯女の一群がいる。女たちの笑いさざめく声....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
かっている。 そこへ右手の道から顔色を変えてソソクサと出て来る百姓二人。甲乙共に
野良着のまま。 甲 やあ、仙太郎さ、ここか! 乙 畑かと思うて、どんねえに捜し....
「麦の芽」より 著者:徳永直
頃合をはかって、善ニョムさんは寝床の上へ、ソロソロ起きあがると、股引を穿き、
野良着のシャツを着て、それから手拭でしっかり頬冠りした。 「これでよし、よし……....
「おりき」より 著者:三好十郎
まで、まじろぎもしない) (そこへ下手の小径からスタスタ出て来る二人の人。前は
野良着に巻脚絆に戦闘帽の中年の男。伸ばしっぱなしにした不性髭の中から眼鼻が覗いて....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
かっている。そこへ右手の道から顔色をかえてソソクサと出てくる百姓二人。甲乙ともに
野良着のまま) 甲 やあ、仙太郎さ、ここか! 乙 畑かと思うて、どんねえに捜した....