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野馬
「野馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
野馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
の馬はなかなか勢がいい。あの尻尾《しっぽ》を振って鬣《たてがみ》を乱している所は
野馬《のんま》だね」と茶を飲まない代りに馬を賞《ほ》めてやった。 「冗談《じょう....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
船を北へと向けて行った。 陸地に近づくと波はなお怒る。鬣を風になびかして暴れる
野馬のように、波頭は波の穂になり、波の穂は飛沫になり、飛沫はしぶきとくずれ込む。....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ありて南米まで拡がった。その遺骨が、今日アルゼンチナ等の曠野《こうや》を駈け廻る
野馬によく似居るので、この
野馬は南米固有のものと説く人もあるが、実は西大陸にあっ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
が画に心を用いし事かくのごとし(『嘯風亭話』)。また西定雅の話に、応挙若かりし時
野馬、草を食《は》む所を画いた。一翁これは盲馬だと難ず。その訳は馬は草で眼を害せ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
たは旅の御客、逢も別れも旭日があの木梢離れぬ内、せめては御荷物なりとかつぎて三戸
野馬籠あたりまで御肩を休ませ申したけれどそれも叶わず、斯云う中にも叔父様帰られて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
は一段、では、桜の馬場で、わしと一緒に一せめして、それから小日和田《こひわだ》へ
野馬をこなしに行ってみようではないか」 「はい……」 「武芸ばかりかの、そなたは....
「真夏の夢」より 著者:有島武郎
るぎ、枝はふるい、石は飛びました。しかして途方にくれた母子二人は二十|匹にも余る
野馬の群れに囲まれてしまいました。 子どもは顔をおかあさんの胸にうずめて、心配....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
このあたりのものは、やぶでも木立でも、ぼくたちの親類のようにおもわれる。ここでは
野馬がこどものじぶんみたとおり草原をはしりまわっている。炭焼までが、ぼくたちがむ....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
童が、あれ馬にまたがって、ふちの広い帽子をかぶって、投縄をぶんぶんふりまわして、
野馬や野牛にひっかけて生けどりにするように、白くまを生けどってやろう。おとうさん....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
「そうだ、どうも、それが困る」 慶正卿はこう云ったが、四辺に放牧されている、
野馬の群へ眼をつけると、 「うん、ちょうど
野馬がいる。これへ乗って駈け付けること....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
徘徊する筈がない。おそらくそれは水から出て来たものではなく、山から下って来た熊か
野馬のたぐいで、水を飲むか、魚を捕るかのために、水辺または水中をさまよっていたの....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
ちうけているのだろう。それはもう十分に予期されることであった。かすかに残っている
野馬の踏附け道をたどりながら頂きまでのぼりつめると、なんの前触れもなく、いきなり....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
方、調方《ととのえかた》。……御用馬や諸侯に下さる馬、お馬|御囲《おかこい》場の
野馬の追込み。……そのほか、馬具一切の修繕をする。……この渡辺利右衛門というのは....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
より仕方がない。それにまた早くその辺へ野宿と極め込んでまずヤクの糞とキャンという
野馬の糞を拾う必要がある。それを薪にするのでござります。
荷物をある場所へ置き....
「仙術修業」より 著者:田中貢太郎
友人が話してくれた。―― 彼はもと十三の時アメリカへ往って乗馬を習い、放牧した
野馬を乗りこなすのを職業としていた。片手に縄を持ち馬を走らして往って
野馬を見ると....