量的[語句情報] »
量的
「量的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
量的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
、殊更、特筆大書する必要はなかったのである。 他の精神病は全て、常人の異常さを
量的に多く持っているだけだが、分裂病は質的に違い、普通人に理解もできぬので、この....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に比べて、一つの本質的の差別があるためである。すなわち千差万別の形における生命を
量的に測定することができないからである。見ただけでは生命が突然死滅してもその代り....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
持っていたかのどちらかだ。が、この場合私は後者だと思う。何故なら、加えられた力の
量的な差こそあれ、これらの擦過傷はあの頸部胸部の絞殺瘡痕に対して質的な共通点を持....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。そして、法水の澄みきった美しい思惟の世界とは異なって、物々しい陰影に富んだ質
量的なものをぐいぐい積み重ねてゆき、実証的な深奥のものを闡明しようとした。
「な....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
の間違いがあるのだ。愛の働きには無限性がある。愛は百人を愛すれば百分されるような
量的なものではない。甲を愛しているから、乙を愛されないというのは真の愛ではない。....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
気がしないという人があるかもしれない。しかし愛は百人を愛すれば百分さるるがごとき
量的なるものではあるまい。いな甲を愛してるということはその人が乙をもまた愛し得る....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
である。しかし幸福説は道徳的意識の深みと先験性とをどうしても説明し得ない。それは
量的に拡がり得るが質的のインテンシチイにおいてはなはだ足らず、心奥の神秘を探究す....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
リ覚悟している女であった。 私は心理の表現に、カナリだとか、イクラカだとか、数
量的にこだわるタチがあるのだが、持って生れた根性で、どうしても、そうなる。心理の....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
狂的だったかが知れるだろう。今度は、日清戦争のときの比ではなかった。戦争小説は、
量的には無数に現れた。江見水蔭だけでも、百三十四篇を書いている。しかしながら、そ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
骨と皮をしぼって汁をとり臓物を味噌煮にして食うとアンコウ以上にうまいかも知れぬ。
量的に海賊的な食べ物のようだが、マンボウの透明無味な肉はしぼって汁とするにふさわ....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
り締まりを厳重にしないと、多摩川筋の山女魚は絶滅してしまうかも知れない。近年は大
量的に虹鱒と川鱒の放流を行なっている。だが、日本独特の山女魚が多摩川から姿を消し....
「法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
能力とを集団的に教育・陶冶され、やがて一定類型の専門的勤務能力をもつものとして大
量的におくり出される」。同時にまた、かかる「専門的勤務能力」は、「しばしば、大衆....
「音楽界の迷信」より 著者:兼常清佐
単なものでない。それに正しく答えようと思えば、その仕事のいろいろな部分が正しく数
量的に記述されていなければならない。その記述という事は決して容易なものではない。....
「古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
なりましても、一円のネクタイは一円のネクタイ、三円のネクタイは三円のネクタイの美
量的値打ちがある。これは一遍自分が験してみると分ります。シャツでも三円のシャツを....
「単純化は唯一の武器だ」より 著者:小川未明
たとえ、それがために、現在のごとき、燦然たる機械文明は見られなくとも、また大
量的な生産機関に発達しなくとも、そのかわり、相殺し、相陥ることから全く救われてい....