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金切声
「金切声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金切声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
うつつ》の暗《やみ》の中にも、唇ばかりが生々《なまなま》しく赤かったので、思わず
金切声をあげながら、その声でやっと我に返りましたが、総身はびっしょり冷汗《ひやあ....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
こまち》を背負《せお》いながら、闇穴道《あんけつどう》を歩いて来る。
小町 (
金切声《かなきりごえ》を出しながら)どこへ行くのです? どこへ行くのです?
使....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
さそうな、血色の悪い丸顔に愛嬌《あいきょう》のある微笑を漂わせて、
「諸君」と、
金切声《かなきりごえ》で呼びかけた。
自分たちは過去三年間、未嘗《いまだかつ》....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
骨の高い年増《としま》が一人、猪首《いくび》の町人と酒を飲んでいた。年増は時々|
金切声《かなきりごえ》に、「若旦那《わかだんな》」と相手の町人を呼んだ。そうして....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
しながら、寝台に屹と身構えたトタンに、 「院長さんが御廻診ですよう!」と看護婦の
金切声が物凄く響いたのである。 理順は既に室に迫って、あわや開けようとすると、....
「階段」より 著者:海野十三
と思って、間の扉を図書室へ開いたその途端であった。奇妙とも妖艶ともつかない婦人の
金切声が頭の上の方から聞えたかと思うと、ドタドタという物凄い音響がして、佐和山女....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ると、佐伯さんのあたりに轟然と落下し、あたりに太い火柱が立った。婦人たちの悲鳴、
金切声など同時に起きる。 「萩原さんのところだ!」「奥山さんだ!」「松原さんだ!....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
をしようかと思ったが、あとからまた押してくる人で、それは不可能だった。 婦人の
金切声と、子供の泣き叫ぶ声とで、壕の中は、さらに息ぐるしかった。天井は、角材を格....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
た。 「追いつけないようだったら、ピストルで撃ってもいいぞ」 隊長室戸博士は、
金切声で、助手たちの後から叫んだ。 駆けだす天幕の足は早かった。助手たちは息切....
「火星兵団」より 著者:海野十三
内だ。
何を叫んでいるのかわからないが、たしかに何か重大なことが起ったらしく、
金切声をあげている。それは一人や二人ではなく、かなりの人数だった。しかし人間の声....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
扱いて、思わず撫でると、これがまた化かされものが狐に対する眉毛に唾と見えたろう。
金切声で、「ほほほほほほ。」 十歩ばかり先に立って、一人男の連が居た。縞がらは....
「露肆」より 著者:泉鏡花
しながら、揃えた膝をむくむくと揺って、 「何て、寒いでしょう。おお寒い。」 と
金切声を出して、ぐたりと左の肩へ寄凭る、……体の重量が、他愛ない、暖簾の相撲で、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いて、真鍮の板金を取った。 お掛けなさいまし、お休みなさいましと、間近な氷店で
金切声。夜芝居の太鼓、どろどろどろ、遥に聞える観世物の、評判、評判。 ....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
締めて、やっぱり洋傘、この大爺が殿で。 「あらッ、水がある……」 と一人の女が
金切声を揚げると、 「水がある!」 と言うなりに、こめかみの処へ頭痛膏を貼った....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
床の前へ行った時分にゃ、もう蒸気を吐くように壁を絞って煙が出るんで、けたたましい
金切声で床屋さん、親方! とこんな時だけの親方、喚いても寂として返事がないんで、....