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金創
「金創〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金創の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が急ぎ足で帰って来た。 「親分。案の通り、金造は切疵のくすりを買って行きました。
金創いっさいの妙薬という煉薬だそうで……」 勇二は金造の家にかくれて疵養生をし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
磐津の師匠の家に寝込んでいるのではないかと思われるのは、おふくろのお金が赤坂まで
金創の塗り薬を買いに行ったことである。師匠の文字吉は風邪を引いたと云って稽古を断....
「西湖主」より 著者:田中貢太郎
を求めているようであった。陳は気の毒になって賈に請うて逃がしてやることにしたが、
金創の薬を持っていたから、じょうだん半分にそれをつけて、水の中へ放してやった。龍....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
有《も》っているのだ。 きく。打ち身、切り傷にうそのようにきく。 たいがいの
金創《きんそう》は、三日の入浴で肉が盛り上り、五日で傷口がふさがり、七日でうす皮....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ぶら》ごとき板とし売った。タヴェルニエー説に、東欧のノガイ人は馬肉や馬脂を熱して
金創に傅《つ》け、神効ありというと。ローマ帝国の盛時興奮剤として最も尊ばれたヒッ....
「鍛冶の母」より 著者:田中貢太郎
れはいかん、どうかして、傷を見てから、薬をつけんといかん、私の印籠の中には、好い
金創の薬があるから、つけてあげよう」 「そうですか、それはありがとうございます、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
と見きわめるや、かれは再び猛然と乾雲丸を取りなおした。
隻眼隻腕、おまけに顔に
金創の溝ふかい怪物……このうえ跛者とくりゃあ世話アねえや! ととっさに考えるとそ....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
誰か寝ているらしい。しかし白布で蔽われているので姿を見ることは出来なかった。 「
金創でござる。お手当てを」覆面の老人は囁いた。さも嗄れた声音である。 「へ――い....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
れたのだった。 同時に心をこめた文次の介抱が始まった。近所の外科医が招かれて、
金創《きんそう》の手当てをする。食事から寝起き、文次の親切は親身も及ばないほどだ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
かにも一、二ヵ所の掠り傷があって、五体はむごたらしい紅に塗られていた。 「用意の
金創は誰が持っている」 「はっ、これに」 「指先へ付けて塗りつけろ。そして血止め....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
々が桃谷のかれの家へ移って行った。 その晩、早速源内も来てくれた。 傷を洗い
金創を巻きかえなどされて、幾分気がハッキリしてきたが、万吉は夜になってしきりに昂....
「三国志」より 著者:吉川英治
っかく上機嫌な呉侯に、ちといやな報告もしなければならなかった。 それは、周瑜が
金創の重態で仆れたことと、荊州、襄陽、南郡の三要地を、玄徳に取られたことの二つだ....