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金殿玉楼
「金殿玉楼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金殿玉楼の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「喝采」より 著者:太宰治
め、ほそぼそ青い焔の尾をひいて消える、また点火、涙でぼやけてマッチの火、あるいは
金殿玉楼くらいに見えたかも知れない。年一年とくらしが苦しく、わが絶望の書も、どう....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
想は何かと考えて来ると、彼等が学生や腰弁時代に口を極めて罵っていた、ブルジョアの
金殿玉楼生活だという事になるようである。つまりそんなに早くブルにはなれないし、よ....
「白くれない」より 著者:夢野久作
武芸、学問を出精せるに非ず。半面鬼相にもあれ、何にもあれ。美しき女を数多侍らせ、
金殿玉楼に栄燿の夢を見つくさむ事、偏へにわが学問と武芸にこそよれ。容貌、醜しとあ....
「樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
(「塵中日記」より) 私はもうこの辺で、その人のためには、茅屋《ぼうおく》も
金殿玉楼と思いなして訪《と》いおとずれた、その当時はまだ若盛りであった、明治文壇....
「天皇陛下にさゝぐる言葉」より 著者:坂口安吾
婦人の流儀であったようだ。 日本は男尊女卑だなどゝいうけれども、そうじゃない。
金殿玉楼では亭主関白の膳部のかたわらに女房が給仕に侍し、裏長屋ではガラッ八の野郎....
「織田信長」より 著者:坂口安吾
から。 然し、この悪魔は、殆ど好色なところがなかった。さのみ珍味佳肴も欲せず、
金殿玉楼の慾もなかった。モラルによって、そうなのではない。その必要を感じていなか....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
りつづけた。 「あなた、ひがんではいけませんよ。たとえば、単に別荘だけでしたら、
金殿玉楼も買い手がないのは当然かも知れません。いま敵に追いつめられ、窮亡のドン底....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
南《かなん》に済渠《さいきょ》を開き堤《つつみ》に柳を植うる事一千三百里という。
金殿玉楼《きんでんぎょくろう》その影を緑波《りょくは》に流す処|春風《しゅんぷう....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
旅行を決心した理由であります。殊に天上天下唯我独尊の釈迦牟尼|如来が至尊の王位と
金殿玉楼すなわち天下の富貴を捨てて破衣乞食の出家となって我ら一切|衆生のために身....
「童話を書く時の心」より 著者:小川未明
良家に生れて、不足なく育った子供等は、自分の欲望を満足するには、もっと美しい
金殿玉楼に住んだとか、栄達をしたとかいう話をきいて、夢想することによって喜びを感....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
殖やし、将来、無益で徒食の権利だけのある子どもを幾十人も生ませ、塗炭の民の上に、
金殿玉楼の、生ける身の柩をもって老いを待つだけの事でしかない。 とても、吉宗に....