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金砂子
「金砂子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
金砂子の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
に、渦巻き、崩れ、盛り上り、なびき伏し、万態の変化の妙をつくしつつ、果しもなく、
金砂子《きんすなご》を八方に撒き散らすのを眺めながら、
「ほほう、ほほう、黄金の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
赤味を帯びた雲が一流れ、切れてはつづき、つづいては切れて、ほかの大空はいっぱいに
金砂子《きんすなご》を蒔《ま》いた星の夜でありました。 東から西に流れる雲、或....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
わ》は、花川戸《はながわと》から山之宿《やまのしゅく》へかけての家々の洩れ灯が、
金砂子《きんすなご》のように、チカチカまたたいている。
こっちは、橋のすぐとっ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ではちっと涼し過ぎるほどに思われた。月はないが、空はあざやかに晴れて、無数の星が
金砂子のようにきらめいていた。夜ももう十二時を過ぎた頃である。庭のどこかでがさが....
「北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
狩野の規矩に準り、一点の非の打ち所もない。 「ああ我ながらよく出来た」 最後の
金砂子を蒔きおえた時融川は思わず呟いたが、つまりそれほどその八景は彼には満足に思....
「穴」より 著者:岡本綺堂
ではちっと涼し過ぎるほどに思われた。月はないが、空はあざやかに晴れて、無数の星が
金砂子のようにきらめいていた。夜ももう十二時を過ぎた頃である。庭のどこかでがさが....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
と――京で辻君、大阪で惣嫁《そうか》、江戸で夜鷹と、夕化粧――かの。それから?」
金砂子の襖の前で、腕組をして、微笑しているのは、斉興の側役伊集院伊織である。その....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いろいろ見せて戴いたよ」といわれました。床の間には定紋の縫のある袋に入れた琴や、
金砂子の蒔絵の厨子なども置いてありました。何しろいろいろの衣類を持っていられるの....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
たんたる板と柱の穴蔵と違い、普通と変らぬ部屋づくり、むしろ、美々しい結構である。
金砂子の袋戸棚、花梨の長押、うんげんべりの畳――そして、淡き絹行燈の光が、すべて....