»
釜
「釜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
釜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ございましょうか。私が井戸|端《ばた》で楊枝《ようじ》を使っていると、妻は台所で
釜の飯を移している。――その上へ家がつぶれました。それがほんの一二分の間の事で、....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
れたのです。
襖《ふすま》の外に身を寄せるが早いか、わたしの耳には思った通り、
釜《かま》のたぎりがはいりました。が、その音がすると同時に、意外にも誰か話をして....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
釈様《たいしゃくさま》のお掛地《かけじ》を川へ流すやら、七面様の御影《みえい》を
釜の下へ入れて焼くやら、大騒ぎをした事があるそうである。
それからまた、そこに....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
ひん》の好《い》い三十四五の女が、しとやかに後《あと》を追って来ました。庫裡には
釜をかけた囲炉裡《いろり》の側に、勇之助が蜜柑《みかん》を剥《む》いている。――....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
うにその新仏が幼馴染のお敏へ宛てた、一封の書置きがあったのを幸、早くもあの婆は後
釜にお敏を据えようと思ったのでしょう。まんまとそれを種に暇を貰わせて、今の住居へ....
「或る女」より 著者:有島武郎
た》の上に肘《ひじ》を持たせて居ずまいをくずしてもたれかかった。古びを帯びた蘆屋
釜《あしやがま》から鳴りを立てて白く湯気の立つのも、きれいにかきならされた灰の中....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
たない馬は、金を喰う機械見たいなものだといった。そして竹箆返《しっぺがえ》しに跡
釜《あとがま》が出来たから小屋を立退けと逼《せま》った。愚図愚図していると今まで....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て、クウクウかいのう、おおおお、」 と合点々々、ほたほた笑をこぼしながら甘酒を
釜から汲む。 見る見るうち、輝く玄潮の退いたか、と鳩は掃いたように空へ散って、....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
津軽や秋田へんから集まって来た旅雁のような漁夫たちが、鰊の建網の修繕をしたり、大
釜の据え付けをしたりして、黒ずんだ自然の中に、毛布の甲がけや外套のけばけばしい赤....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
、其屋の板障子をすらりと開けた。 「ご免なさいよ。」 頬被りの中の清しい目が、
釜から吹出す湯気の裏へすっきりと、出たのを一目、驚いた顔をしたのは、帳場の端に土....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
いがけない珍らしいものを視た。 二 框の柱、天秤棒を立掛けて、鍋
釜の鋳掛の荷が置いてある――亭主が担ぐか、場合に依ってはこうした徒の小宿でもする....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
「土蔵がずッしりとあるだけに、いつも火の気のないような、しんとした、大きな音じゃ
釜も洗わないといった家が、夜になると、何となく灯がさして、三味線太鼓の音がする。....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
りへその白髪頭を差出したので、面を背けるようにして、客は外の方を視めると、店頭の
釜に突込んで諸白の燗をする、大きな白丁の、中が少くなったが斜めに浮いて見える、上....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
った。そこで小教区の司祭は、車大工の不幸な身の上を知っていたので、この男をその後
釜に据えた。 そこで彼は、朝になると、来る日も来る日も、いままで老人の坐ってい....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
」 と太郎右衛門はお神さんを叱りつけました。 その晩、太郎右衛門夫婦は、大きな
釜に湯を沸して、厩の前で赤児に湯をつかわせてやることにしました。お神さんは、何気....