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「針仕事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

針仕事の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
捨児」より 著者:芥川竜之介
た。女は夫や子供の死後、情《なさけ》深い運送屋主人夫婦の勧《すす》め通り、達者な針仕事を人に教えて、つつましいながらも苦しくない生計を立てていたのです。」 客....
或る女」より 著者:有島武郎
っぱしょりをしながら裸足《はだし》のまま庭に飛んで降りた。そしてハーキュリーズが針仕事でもするようなぶきっちょうな様子で、狭い庭を歩き回りながら片すみから片づけ....
みちのく」より 著者:岡本かの子
、きっとこの呉服店へ立寄った。四郎はお蘭の傍《そば》にいるだけで満足した。お蘭の針仕事をしている傍に膝《ひざ》をゆるめて坐って、あどけないことを訊《たず》ねたり....
婦系図」より 著者:泉鏡花
て、奥方にもちょいと挨拶をしたばかり。その挨拶を受けらるる時の奥方が、端然として針仕事の、気高い、奥床しい、懐い姿を見るにつけても、お蔦に思較べて、いよいよ後暗....
紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
いますから……」 予は突然打ち消して、 「とんでもないことです。そりゃ東京では針仕事のできる人なら身一つを過ごすくらいはまことに気安いには相違ないですが、あな....
蠅男」より 著者:海野十三
小屋の中にサンタクロスに似た髯を持った老人を囲んで、男女、八人の家族が思い思いに針仕事をしたり薪を割ったり、鏡の手入れをしたり、子供は木馬に乗って遊んでいるとい....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
める者もなくなった。 お玉さんは自分で髪を結う、行水をつかう、気分のよい時には針仕事などもしている。そんな時にはなんにも変ったことはないのであるが、ひと月かふ....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
目を覚せば俺より前に、台所でおかかを掻く音、夜寝る時は俺よりあとに、あかりの下で針仕事。心配そうに煙管を支いて、考えると見ればお菜の献立、味噌漉で豆腐を買う後姿....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
も、また遊びに行ってしまって、父様居ない、というと、いそいそ入って来ちゃあ、私が針仕事をしている肩へつかまって。」 と声に力を籠めたりけるが、追愛の情の堪え難....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
すほどのこと。 急ぎの仕立物がございましたかして、お米が裏庭に向きました部屋で針仕事をしていたのでございます。 まだ明も点けません、晩方、直きその夕顔の咲い....
燕と王子」より 著者:有島武郎
ちを向いて開いている。あの窓の中をよく見てごらん。一人の年|老った寡婦がせっせと針仕事をしているだろう、あの人はたよりのない身で毎日ほねをおって賃仕事をしている....
有喜世新聞の話」より 著者:岡本綺堂
になったのである。 何といっても士族のむすめであるから、行儀も好い、読み書きや針仕事も出来る。その上に容貌も好い。こういう身の上であるから、当人も努めて遠慮勝....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
なければならない。 王立協会内のファラデーの書斎 姪のライド嬢は実験室の隅で、針仕事をしながら、鼠のように静かにしている。ファラデーは時々うなずいたり、言葉を....
」より 著者:岡本かの子
るすると動物的なすばしこさで遁げ込んでしまった。 女中部屋へ駆け込んだ京子は、針仕事をして居たお民に、 ――人、人が来た、お民。 京子が、せかせか言う「人」....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
出来合いを買って間にあわせることにしたが、一家内の者の羽織や綿入れや襦袢や、その針仕事に女たちはまた忙がしく追い使われた。 目白に避難の当時、それぞれに見舞い....