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「針金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

針金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ると、どこか少年に似ていないことはない。 54 大きい針金《はりがね》の環《わ》のまわりにぐるりと何本もぶら下げたかもじ。かもじの中に....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
う》の妓館にあるのと殆《ほとん》ど変りは見えなかった。が、この部屋の天井の隅には針金細工の鳥籠《とりかご》が一つ、硝子窓《がらすまど》の側にぶら下げてあった。そ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
く、仄《ほの》かに暖い春の雲を物静な水に映していた。藪木《やぶき》の交《まじ》る針金雀花《はりえにしだ》、熊笹の中から飛び立つ雉子《きぎす》、それから深い谷川の....
星座」より 著者:有島武郎
でにラムプを提げてはいってきた。そしてそれを部屋の真中にぶらさがっている不器用な針金の自在鍵《じざいかぎ》にかけながら、 「降られはしなかったけえ」と尋ねた。 ....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
いているな」そう云って大蘆原軍医は、大きい鉄枠のなかを覗きこんだ。そこには大きな針金で拵えた籠があって、よく肥ったモルモットが三十匹ほど、藁床の上をゴソゴソ匍い....
怪星ガン」より 著者:海野十三
緑色のマフラーのなかで怪人の口が大きく動いた。と、とつぜんかれは、服の下から、針金を輪にしたようなものをとりだし、頭上高くあげた。そしてそれを高く持ったかれの....
骸骨館」より 著者:海野十三
ができなかった。その宝石箱には、この工場で使うダイヤモンド・ダイスといって、細い針金つくりの工具をこしらえるその資材として総額五百万円ばかりの大小かずかずのダイ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
上機関大尉は、あたりに人気のないのを見すますと、ペンキの缶の底をひらいて、二条の針金をひっぱりだした。その針金の先についている小さい物挟を、舷の梁上に留めると、....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
云いようのない顔を上げて、じろりと見た、その白髪というものが一通りではない、銀の針金のようなのが、薄を一束刈ったように、ざらざらと逆様に立った。お小姓はそれッき....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
掛けたのが、満潮で板も除けてあった、箱庭の電信ばしらかと思うよう、杭がすくすくと針金ばかり。三角形の砂地が向うに、蘆の葉が一靡き、鶴の片翼見るがごとく、小松も斑....
歯車」より 著者:芥川竜之介
れば、――僕は頭だけ歩いているように感じ、ちょっと往来に立ち止まった。道ばたには針金の柵の中にかすかに虹の色を帯びた硝子の鉢が一つ捨ててあった。この鉢は又底のま....
村芝居」より 著者:井上紅梅
十九人は字を知らなかった。 わたしどもの日々の仕事は大概|蚯蚓を掘って、それを針金につけ、河添いに掛けて蝦を釣るのだ。蝦は水の世界の馬鹿者で遠慮会釈もなしに二....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
まりで、電流と磁石との研究が色々と始まった。その翌年にファラデーは、電流の通れる針金を磁極の囲りに廻転させる実験に成功したの事で、ジョージ・バーナードというファ....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
て死ぬ。この種の変形には、シャンデリアについている鉄の切先きを頭に突き差したり、針金で縊れたり、時には自分の手で喉をしめて息の根を断つというようなこともある。 ....
清心庵」より 著者:泉鏡花
して養いおく、山番の爺は顔|丸く、色|煤びて、眼は窪み、鼻|円く、眉は白くなりて針金のごときが五六本短く生いたり。継はぎの股引膝までして、毛脛細く瘠せたれども、....