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釣り合い
「釣り合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
釣り合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔性の女」より 著者:大倉燁子
流し眼で彼の顔を見た。五つも年長の彼女はいつも厚化粧に派手なみなりをして、彼との
釣り合いを気にしているようだった。 「そんなお世辞を云って、お酒のあとねだりした....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
このごろ流行らないが、この話は極月十三日と大時代《おおじだい》に云った方が何だか
釣り合いがいいようである。その十三日の午後四時頃に、赤坂の半七老人宅を訪問すると....
「学生と生活」より 著者:倉田百三
もしくは造化の神のいたずらと見てユーモラスに取り扱うという態度も、私の素質には不
釣り合いのことであろう。 かようにして浪曼的理想主義者としての私の、恋愛運命論....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
と、そうしたことと学校というもの(子供の心から学校は片時もはなれぬものだ)との不
釣り合いな矛盾感のようなものを持っていた。 が一度こうした事を覚えるとその好奇....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
は後日ミロのヴィーナスの形を思わせるかもしれない。もっとも、それはその誇張された
釣り合いの中にも感ぜられる。ロシア女性美の鑑識家はグルーシェンカを見て、かような....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の方は四十台になっていた。四十といえば男の五十に当たる。それで二人の間に年齢の不
釣り合いはなかったわけである。
背が高く、金髪で、あから顔で、脂《あぶら》ぎっ....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
と後ろ姿を見送った。 橋本君は十七歳、椿山君は十六歳、どちらも身体の縦と横との
釣り合いが変調をきたし、愛称を樽ちゃんといい、豆ちゃんと呼ぶ。このずんぐりの樽ち....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
ず一部分には絨毯《じゅうたん》が敷いてある。それが部屋の大きさに比べると、まるで
釣り合いが取れないから、敷物として敷いたというよりは、色のいい、模様の雅な織物と....
「墓場」より 著者:西尾正
カしてしまうのである。 細君だといって紹介された女は、ペンダア君にくらべると不
釣り合いに若く、いつも赤いジャケツを着て砂丘の上で日向ボッコをしながら、その頃は....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
りが、ものすごく聞こえてきていた。
お高は、惣七の肩にじぶんの肩をあたえて、不
釣り合いに大きく見える自分の膝の上で、惣七の指をもてあそんでいた。惣七は、それに....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
く似ている。映画に出てくるワイズミュラーのようにふやけた顔はしていないが、身体の
釣り合いや、腕の長すぎるところなんか、たいへんよく似ている。いかにも若々《わかわ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
結んで頑張りつづける。 玄関の扉《と》が、内側から無造作に引きあけられて、よく
釣り合いのとれた、背《せい》の高い、三十五、六の青年が屈託のないようすで現われて....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
信ぜられた。その蛇長二十五フィート、胴の厚さ牛ほどで、頭至って厚く短きに、眼は不
釣り合いに小さく輝く、鎌のごとき歯二列あり。尾は滑《すべ》だが、他の諸部ことごと....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
表面上の労働賃銀をぐんぐん上げて、その頃までは物価の昂騰と労働賃銀の増大とはほぼ
釣り合いを保って上向きに来たのであった。けれども、この頃を境として生活費の膨脹は....
「押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
じませぬが、その頃の福岡の流行《はや》り歌に、 「みなさんみなさん、福岡博多で、
釣り合いとれぬが何じゃいナ。トコトンヤレトンヤレナ。あれは井《い》ノ口《ぐち》旦....