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「釣合い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

釣合いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
橡の花」より 著者:梶井基次郎
ですがこのなあのあはOの「すべり台面白いぞお」のおと釣合っています。そしてそんな釣合いはOという人間の魅力からやって来ます。Oは嘘の云えない素直な男で彼の云うこ....
富士」より 著者:岡本かの子
その頃、三光鳥はこの裾野の麓へ来て鳴く。生けるものにはここしばらく住み具合のよい釣合いのとれた時期の続きであるだろう。 「この大地は、島山になっております。蜻蛉....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
いような新しい蚊帳は萌黄《もえぎ》の波を打たせて、うす穢《ぎたな》いこの部屋に不釣合いなのもかえって寂しかった。その蚊帳越しのあかりに照らされた二人の顔も蒼く見....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
から一廉の武芸者らしい人物であった。 御新造のお常は、この時代の夫婦としては不釣合いと云ってもいいほどに年の若い、二十七、八の上品な婦人で、ことばに幾分の奥州....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 わたしがいつでも通される横六畳の座敷には、そこに少しく不釣合いだと思われるような大きい立派な額がかけられて、額には草書で『報恩額』と筆太....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
世に現わさず、 フォエベの鎌はまだ望月と成らざりき。 地は未だ今のごとく、 己と釣合いて空際に浮ばず またアムフィトリートの腕は未だ我が物と 遠く広がる国々の果....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
の眼が少し野獣じみて光った。 額に翳した右の手先と、左の腰盤に当てた左の手首の釣合いが、いつも天候を気にしている職業人のみがする男型のポーズを小初にとらせた。....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
彼女は答えた。 「わたくしは人に仕えることの出来る者ではありません。あなたとは不釣合いです。なまじいに結婚して後日の恨みを残すような事があってはなりません」 ....
海底都市」より 著者:海野十三
そのような呼吸兜を作るのはわけありませんわ」 「それはいいでしょう。しかし身体の釣合いを破らないように考えないといけませんね」 「そうですね。身体の他の部分にも....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
に曲んだが、肩も横に、胸も横に、腰骨のあたりも横に、だるそうに手を組んだ、これで釣合いを取るのであろう。ただそのままでは根から崩れて、海の方へ横倒れにならねばな....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
夫らの不平の声と、白く輝く甲板の上にかれらの靴のきしむ音とが、いかにも不調和で不釣合いに響くのである。ただ訪れたものは一匹の北極狐のみで、これも陸上では極めてあ....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
うだぜ。ただ写楽が、煙管を長く描いたもんだから、後々のうるさがりやが、高い背丈と釣合いの煙管なんて、そんなことを吐ざいたそうなんだよ。喜代太郎が、どうして高えも....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
、折角こっちが勿体ぶっているのに、鉢巻とはあんまり軽々し過ぎる、だいいち帷子との釣合いがとれないではないかと、これはすぐやめさせた。 面白いほどはやり、婆さん....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
なっていた。薪炭商から瓦斯の道具を売る店へ、文化進展の当然の過程だ。だが椅子へ不釣合いにこどもを抱えて腰かけているおかみさんはもとのおかみさんに違いないが人相は....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
々しく若やいだもので、その当時|綺麗ざかりの福助のお軽と立ちならんで、ちっとも不釣合いにみえないのみか、“いつか故郷へ帰る雁”などはお軽以上に柔かくしなやかに見....