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「釣師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

釣師の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
令嬢アユ」より 著者:太宰治
をおろして、釣糸を垂れた。釣れる場所か、釣れない場所か、それは問題じゃない。他の釣師が一人もいなくて、静かな場所ならそれでいいのだ。釣の妙趣は、魚を多量に釣り上....
幻談」より 著者:幸田露伴
た人とも思われねえ、あれは上《かみ》の方の向島《むこうじま》か、もっと上の方の岡釣師ですな。」 「なるほど勘が好い、どうもお前うまいことを言う、そして。」 ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
たというのです。もう一つは、その辺の堀に何か怪しい主が棲んでいて、日の暮れる頃に釣師が獲物の魚をさげて帰ろうとすると、それを置いて行けと呼ぶ声が水のなかで微かに....
蘆声」より 著者:幸田露伴
辞をいってくれた。その言葉を背中に聴かせながら、 ああ、宜いとも。だがまだボク釣師だからね、ハハハ。 と答えてサッサと歩くと、 でもアテにして待ってますよ、....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
稗蒔きの鉢をかって、柴橋《しばばし》をかけさせたり、白鷺《しらさぎ》をおかせたり釣師の人形を水ぎわにおくために金魚も入れたり、白帆船をうかせたりしてくれた。 ....
文学以前」より 著者:豊島与志雄
口の梁が破けたり畦が壊れたりすると、川の中に多く逃げ出すことがある。鯉をめあての釣師がくさるのは、そういう鯉に出逢う時である。水田で蛹を与えられてのんびり育った....
博物誌」より 著者:岸田国士
全身滝となって、心地よげにからだをくねらせ始めるのである。 Le Taureau釣師は足どりも軽く、イヨンヌ河の岸を歩きながら、糸の先の銀蠅を水面にぴょいぴょい....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
》の沖鈎、宅間玄牧《たくまげんぼく》流の隼《はやぶさ》鈎、芝|高輪《たかなわ》の釣師|太郎助《たろすけ》流の筥鈎などと、家伝《かでん》によりましていろいろ型がご....
狂人日記」より 著者:秋田滋
だ。 十月二十日―― また一人|殺った。昼食を済まして、川端を歩いていると、釣師が一人柳の木の下に眠っていた。正午だった。鋤が一丁、傍の馬鈴薯畑の中に、まる....
すみだ川」より 著者:永井荷風
での時間を空費するのもさして難《かた》くはないとやや安心することも出来た。長吉は釣師《つりし》の一人が握飯《にぎりめし》を食いはじめたのを見て、同じように弁当箱....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
た仕打ちだ、大抵好い加減に釣ってれば好いに」という、強談なのです。』 漁『上手な釣師も険呑だね、僕等では、其様な談判を持ち込まるる心配も無いが。アハハ……。』 ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
僕は夜は「百本杭」の河岸を歩いたかどうかは覚えていない。が朝は何度もそこに群がる釣師の連中を眺めに行った。O君は僕のこういうのを聞き、大川でも魚のつれたことに多....