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釣手
「釣手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
釣手の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
様に、よう/\」
三「蚊帳を持って来たから釣りましょう、恐ろしく蚊に喰われた、
釣手があるかえ」
累「
釣手は売られないから掛って居ります」
三「そうか」
....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
んな事で、却《かえっ》て岡村はどうしたろうとも思わないでいる所へ、蚊帳《かや》の
釣手の鐶《かん》をちゃりちゃり音をさせ、岡村は細君を先きにして夜の物を運んで来た....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
な》っている。手燭《てしょく》をつけて一匹ずつ焼くなんて面倒な事は出来ないから、
釣手《つりて》をはずして、長く畳《たた》んでおいて部屋の中で横竪《よこたて》十文....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けても、内にはなんの返事もないので、半七は障子をそっと細目にあけて覗くと、蚊帳の
釣手は二本ばかり切れて落ちていた。蚊帳のなかには血だらけの男が一人倒れているらし....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
シテ、アノ新聞記事ヲ見マシテカラ、ヤット昨晩、家ニ帰ッテ見マシタラ、祖母ハ蚊帳ノ
釣手ニ、妻ノ赤イ細帯ヲカケテ、首ヲククッテ死ンデオリマシタ。足ノ下ニ御社ノ新聞ノ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
しゃいました」 相「それじゃアこれへ、アレ、コリャ善藏寝惚てはいかん、これ蚊帳の
釣手を取って向うの方へやって置け、これ馬鹿何を寝惚ているのだ、寝ろ/\、仕方のな....
「太十と其犬」より 著者:長塚節
三人は昼間見ておいた西瓜をひっ抱えてすぐ逃げる。他のものは態と太十を起して蚊帳の
釣手を切って後から逃げるというのであった。太十は其夜喚んでも容易に返辞がなかった....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
と、集五郎また一歩! と、小一郎一歩退がった。「しめた」と考えた集五郎、相手が「
釣手《つりて》」で退くとも知らず、ムッと気息、腹一杯、籠めると同時に躍り込んだ。....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
れども、座敷が広いから、蚊帳は式台向きの二隅と、障子と、襖と、両方の鴨居の中途に
釣手を掛けて、十畳敷のその三分の一ぐらいを――大庄屋の夜の調度――浅緑を垂れ、紅....
「月明」より 著者:豊島与志雄
くなって、いきなり飛び起きた。咄嗟に隣りの室へ飛び込んだ。 「姉さん、姉さん!」
釣手を引き切られて落ちてきた蚊帳の下から、漸く匐い出して来た姉は、彼の様子を見て....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
ぶない! 釣り出されて踏み込んで行ったが最後刀が車に返って来る! が、それも序の
釣手だ! その次に行なわれる大下手切り! こいつだけは受けられない、ダーッとドッ....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
あって、五燭位のうす暗い光りが室中を浮き出さして居ました。蚊帳は二|所《ところ》
釣手がひきちぎられて一方にだらりと下り、切れた方は片すみに押しつけられて居ます。....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
。堂々とした姿のものがあります。天井から「戎」または「大黒」と呼ぶ欅作りの大きな
釣手を下げ、それに自在を掛けます。その鉤の彫りに実に見事なものがあります。好んで....