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「鈍感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鈍感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
の生活にさえ事欠きながら、万事を葉子の肩になげかけてそれが当然な事でもあるような鈍感なお坊《ぼっ》ちゃんじみた生活のしかたが葉子の鋭い神経をいらいらさせ出した。....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
誌にその行状記を素ッ破抜かれた。 春隆もその槍玉に挙げられた一人だが、もともと鈍感なのか、大して参りもせず、むろんその雑誌の買い占めに走りまわったりせず、そん....
ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
ッキリ私に判っていたとしたら、あんなカタストロフィーは起らなかったかもしれない。鈍感な私はそういわれても、何ごとも連想しなかった。 当時ドイツからシュミット会....
恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
近づけば、恐龍に見つかって食べられてしまうからね」 「恐龍の臭覚《しゅうかく》は鈍感《どんかん》だと思う。なぜといって、ぼくらの作り物の恐龍のそばまで行っても、....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
純たる恋に悩んでおられるとは、さっぱり気がつかなかったね」 「おおきにお世話よ、鈍感坊ちゃん」 「これはお言葉、痛み入る。しかしエミリー、実をいえば僕も水戸をひ....
食魔」より 著者:岡本かの子
見えない。呑むことだけして吐くことを知らない闇。もし人間が、こんな怖ろしい暗くて鈍感な無限の消化力のようなものに捉えられたとしたならどうだろう。泣いても喚き叫ん....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
んだろう」 「そうだ、そうだ」 と、三好はからかわれていることなぞに気のつかぬ鈍感な男だった。 「――この五六三郎という奴は、家老の家に生れたのを、笠に着て威....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
、なにか思いあたることはないか」 「思いあたることと申しますと……」 「ええい、鈍感な奴じゃ」とスターベアは、太い髭をふるわせ、 「つまり、誰か、このわしを蹴落....
第四次元の男」より 著者:海野十三
へすわりこんだまま、しばし二人の後姿を見送っていた。 (なんという暢気というか、鈍感というか、あきれた二人達れだろう。自分たちの話に夢中になって、わたくしの突き....
現代若き女性気質集」より 著者:岡本かの子
があると、ついお友達と円タクに乗ってしまって。 ○大概な事は我慢が出来るけれど。鈍感なものだけはトテモ堪らない。 ○ジャズの麻痺、映画の麻痺、それで大概の興味は....
人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
突込んだのと一向変りがなく感ぜられるのであった。人間というものは、慣れるとこうも鈍感になるものか。僕はさきほどまで脅された解剖屍体をすこし軽蔑し、そしてすこし気....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
衝突して、内心|窃に二葉亭の古い文章家気質を慊らなく思っていた。が、自分のような鈍感者では到底|味う事の出来ない文章上の微妙な説を聞いて大いに発明した事もしばし....
贋物」より 著者:葛西善蔵
たはあまり気がよすぎるですよ、……正直すぎる」 こうも言って、彼が他人の感情に鈍感で、他人の恩恵を一図に善意にのみ受取っている迂遠さを冷笑した。「ばか正直でず....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
端に影響しており、ド・メッスも、雰囲気から、一種の緊張状態を嗅ぎ出しえないほど、鈍感ではなかった。偉大なる伯爵は、自分で自分に押しつけた名目不分明な流謫生活を、....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
とした。と、ふと、轡川の大きな赤い鼻の上に蠅が一匹停っているのが眼についた。彼は鈍感なのか、三宝柑をたべるのに夢中になっているのか、それに気が付かない様だった。....