鉄気[語句情報] » 鉄気

「鉄気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉄気の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
込んだ。すると、からだに付いていた石鹸《シャボン》が垢《あか》と共に浮きあがる。鉄気《かなけ》のある水を透《す》かして見た時のようにきらきらと光る。その隣りに頭....
木魂」より 著者:夢野久作
雑木林の間の空地に出てから間もない処に在る小川の暗渠の上で、殆んど干上りかかった鉄気水の流れが、枯葦の間の処々にトラホームの瞳に似た微かな光りを放っていた。その....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
物が、青く透き通って見える、その一ツの池からは、いつも湯の烟がほうほうと立って、鉄気で水が赤|錆びている、池の畔には川楊が行列をして、その間から、梓川の本流が、....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の間に嵌められてあった。然し、その重い網扉がけたたましい車金具の音と共に開かれ、鉄気が鼻頭から遠ざかると同時に、密閉された熱気でムッと噎せ返るような臭気を、真近....
山の人生」より 著者:柳田国男
った。ところが後世になるにつれて、勝利は次第に人間の方に帰し蛇の婿は刺された針の鉄気に制せられ、苦しんで死んだことになっている例が多い。糸筋を手繰って窃かに洞穴....