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鉄砲玉
「鉄砲玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉄砲玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
指の股《また》へ這出《はいだ》しているのがあった。
さあ、あの神様の手が障れば
鉄砲玉でも通るまいと、蜘蛛《くも》の巣のように評判が八方へ。
その頃《ころ》か....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ないんですから、こうなるともう早いこと、早いこと、三尺帯を締め直したとみえたが、
鉄砲玉のように表へ飛んでいくと、 「へえい、だんな! おあつらえ」 すぐに駆け....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
っきりとした美丈夫の姿と変わったのです。と同時でした。たち騒いでいる人々の中から
鉄砲玉のように飛んできて、すがりつくようにいった声がありました。 「おっ? おい....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
後におまじないをやっておいたそのひとりです。 「ね、だんな、どうですい。あっしの
鉄砲玉だって、たまにゃ的に当たりやしょう」 とんだところで伝六はすっかり鼻を高....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
にたたずみながら、しきりとあごの無精ひげをまさぐっていると、ところへ息せききって
鉄砲玉のように駆け込んできたものは、例のおしゃべり屋伝六でありました。 「ちえッ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
す! お願いの者でござります……」 必死の声をふり絞りながら、その騒ぎの中へ、
鉄砲玉のように表から駆け込んできたひとりの町人がありました。 四十がらみの年配....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
わいわいとひしめき合っているさいちゅうでした。 その人込みをかき分けて、少年は
鉄砲玉のように家の中へ駆け込むと、けたたましく叫びました。 「綾《あや》ちゃん、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
うめッ。いいこころもちすぎて涙が出りゃがらあ――おい、動くなよ、動くなよ。動くと
鉄砲玉のようなやつが来るんだから、じっとしていてくんな」 悲鳴をあげている伝六....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
え。お丸の奴はきのう出たぎりで今朝まで帰らねえそうです。両国の薬屋の伜もやっぱり
鉄砲玉だそうですよ」 それは明くる朝、庄太から受け取った報告であった。自分らの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
近在の目黒、淀橋、板橋、そのほか数カ所に火薬製造所をこしらえて、盛んに大筒小筒の
鉄砲玉を製造したんです。それには水車が要るということで、大抵は大きい水車のある所....
「海異記」より 著者:泉鏡花
った身のまわり、はだかった懐中から、ずり落ちそうな菓子袋を、その時縁へ差置くと、
鉄砲玉が、からからから。 「号外、号外ッ、」と慌しく這身で追掛けて平手で横ざまに....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
くなってしまったのです。」 「しかし、君はそんなに疲れている癖に、現在僕の前へは
鉄砲玉のように飛び出したじゃないか。」法水は叩きつけるような語気で云った。 「鐘....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
か」 先生はこういって長いバットを持って力のありたけで打つのだからたまらない、
鉄砲玉のようなおそろしく早い球はぶんぶんうなって飛んでくる。選手はいずれも汗だら....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
しぎに思いながら、わたしは服従した。かれは豆鉄砲を口に当ててふいた。かわいらしい
鉄砲玉が空をまって、わたしの足もとに落ちた。ボブの頭が消えた。 わたしは弾丸を....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
いいえ、心配はいりません、早くいれてやらねばなりません」 なかば開いた戸から、
鉄砲玉のようにとびこんできた壮漢! 雨にうたれた伸びほうだいの髪は、ものすごく顔....