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「鉄道馬車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鉄道馬車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
の前に無数の鳩《はと》の飛ぶ浅草《あさくさ》である。あるいはまた高い時計台の下に鉄道馬車の通る銀座である。それらの風景に比べると、この家々だの水路だのは何と云う....
或る女」より 著者:有島武郎
冷やさせて、貞世を抱いたまま黙ってすわり続けていた。間遠《まどお》に日本橋を渡る鉄道馬車の音が聞こえるばかりで、釘店《くぎだな》の人通りは寂しいほどまばらになっ....
みちのく」より 著者:岡本かの子
説明を訊くのであった。お蘭は仕事をしながら説明をしてやる。 「これなんだね」 「鉄道馬車」 「これなんだね」 「お勤め人、洋服を着て鞄《かばん》持って」 四郎....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。さすがに新年早々はどこの店でも門松を立て、国旗をかかげ、回礼者の往来もしげく、鉄道馬車は満員の客を乗せて走る。いかにも春の銀座らしい風景ではあるが、その銀座の....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
獄のように恐れられたりしていた。 二十五年前には東京市内には新橋と上野浅草間に鉄道馬車が通じていたゞけで、ノロノロした痩馬のガタクリして行く馬車が非常なる危険....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
しょう、また若い人にちょっと小指を見せたらどうであろう、銀座の通で手を挙げれば、鉄道馬車が停るではなかろうか、も一つその上に笛を添えて、片手をあげて吹鳴らす事に....
銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
のですが、その後どうなりましたかさっぱり分らなくなってしまいました。これから後に鉄道馬車が通るようになったのです。 これは銀座通りとは少し離れていますが、今の....
月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
は問題ではなかった。なにしろ早く家へ帰ろうと思ったが、その時代のことだから電車も鉄道馬車もない。高輪から人力車に乗って急がせて来ると、金杉の通りで車夫は路ばたに....
三枚続」より 著者:泉鏡花
があろう、それがお夏であった。 お夏は人形町通の裏町から出て、その日、日本橋で鉄道馬車に乗って上野で下りたが、山下、坂本通は人足繁く、日蔭はなし、停車場居廻の....
式部小路」より 著者:泉鏡花
こりゃ、それ、今もおっしゃった歌の先生、加茂川の馬車新道へ、炎天にも上野まで、鉄道馬車。後を歩行いて通ったから、不幸にして地の理が明い。 (私は梅岡さんに頼ん....
註文帳」より 著者:泉鏡花
下谷へ駆けて来た途中、お茶の水から外神田へ曲ろうという、角の時計台の見える処で、鉄道馬車の線路を横に切れようとする発奮に、荷車へ突当って、片一方の輪をこわしてし....
雪柳」より 著者:泉鏡花
通し、寄席の求肥の、めがねへ出ました。すたすたもので、あれから、柳原を両国まで、鉄道馬車で、あとはまた大|歩行きに歩行くつもりの、ところが、馬車を下りる時、料金....
銀座の朝」より 著者:岡本綺堂
花売爺の笠の檐に旭日の光かがやきて、乾きもあえぬ花の露|鮮やかに見らるるも嬉し。鉄道馬車は今より轟き初めて、朝詣の美人を乗せたる人力車が斜めに線路を横ぎるも危う....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
た。そしてこの時ほど富士山を醜く見たことはない。 十二時半に甲府に着いて、すぐ鉄道馬車の客となった。今にも毀れそうな馬車だ。馬は車に馴れず、動かじと佇むかと思....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
口に走りついた。 「透明人間がきたぞーっ」 さけびながら博士は、町の大通りを、鉄道馬車の駅のほうへ走った。駅の前に広場がある。その広場には砂利の山があり、シャ....