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鉛筆
「鉛筆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉛筆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
の中にあった言葉なんです。」
中尉の出した紙切れには何か横文字の言葉が一つ、青
鉛筆の痕《あと》を残している。Masochism ――保吉は思わず紙切れから、い....
「影」より 著者:芥川竜之介
だ見た所、二十《はたち》を越えてもいないらしい。それが壁へ貼った鏡を後に、絶えず
鉛筆を動かしながら、忙《せわ》しそうにビルを書いている。額の捲《ま》き毛、かすか....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
ていた。この扇は僕のここへ来る前に誰《たれ》かの置き忘れて行ったものだった。僕は
鉛筆を動かしながら、時々又譚の顔を思い出した。彼の玉蘭を苦しめた理由ははっきりと....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
《はりがみ》をしたので、直ちに多くの人々がこの窓の外に群がった。いよいよはがきに
鉛筆を走らせるまでには、どうにか文句ができるだろうくらいな、おうちゃくな根性です....
「路上」より 著者:芥川竜之介
うろう》たる影を書物の上へ落すか落さない内に消えてしまった。その書物の上には、色
鉛筆の赤い線が、何本も行《ぎょう》の下に引いてあった。そうしてそれが時の移ると共....
「或る女」より 著者:有島武郎
無人《ぼうじゃくぶじん》に衣嚢《かくし》の中から何か書いた物を取り出して、それを
鉛筆でチェックしながら、時々思い出したように顔を引いて眉《まゆ》をしかめながら、....
「一房の葡萄」より 著者:有島武郎
て、半分夢のようにそこの蓋を揚げて見ました。そこには僕が考えていたとおり雑記帳や
鉛筆箱とまじって見覚えのある絵具箱がしまってありました。なんのためだか知らないが....
「星座」より 著者:有島武郎
いた。柱のめくり暦は十月五日を示して、余白には、その日の用事が赤心《あかしん》の
鉛筆で細かに記してあった。大きな字がお母さんで、小さな字がおぬいさんだということ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
私は小気味悪い魚のにおいを始終気にしながらその手帳を広げて見た。 それはどれも
鉛筆で描かれたスケッチ帳だった。そしてどれにも山と樹木ばかりが描かれてあった。私....
「親子」より 著者:有島武郎
ぞ」 父はすぐそばでこう言った。銀行から歳暮によこす皮表紙の懐中手帳に、細手の
鉛筆に舌の先の湿りをくれては、丹念に何か書きこんでいた。スコッチの旅行服の襟が首....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
垣と向合ったのが、火薬庫の長々とした塀になる。――人通りも何にも無い。地図の上へ
鉛筆で楽書したも同然な道である。 そこを――三光坂上の葭簀張を出た――この老人....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
はあちらで、がちゃがちゃがちゃんの方なんですが……ここで……分っていますからと、
鉛筆を軽く紙片に走らせた。 この会計だが、この分では、物価|騰昇寒さの砌、堅炭....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
たものである。これは直接書記と区別せねばならない。前者にありては、霊媒はペン又は
鉛筆を執るか、若くは片手をプランセットに載せるかすると、通信が本人の意識的介在な....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
らして見ました。すると果して紙切れの上には、妙子が書いたのに違いない、消えそうな
鉛筆の跡があります。 「遠藤サン。コノ家ノオ婆サンハ、恐シイ魔法使デス。時々真夜....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
のあたりへ開く。手帳の枚頁は、この人の手にあたかも蝶の翼を重ねたようであったが、
鉛筆で描いたのは…… 一目見て散策子は蒼くなった。 大小|濃薄乱雑に、半ばか....