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鉢合わせ
「鉢合わせ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉢合わせの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海底大陸」より 著者:海野十三
ょうな、へっぴり腰で、ゆかの上をごそごそはいまわっていた。甲板の上では、しきりに
鉢合わせが起こって、いまいましさにどなる声が聞こえた。 「船長、いま本船はどこを....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
が紛う方なき秀蓮尼だった。 僕は階下へ駆けだしてゆくと、やがて上ってくる彼女と
鉢合わせをした。 「よく帰って来たね」 「ええ、……心配していた?」 僕は彼女....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
とき、三津子を護送した本庁の幌自動車が警笛をならして門内へ入ろうとしたので両者が
鉢合わせとなった。土居が自動車の方へ駈出して行ったので、帆村もすぐその跡を追った....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
った。しばしば手のふり方や、足のふみ方をまちがえて、前後の人を面くらわせ、時には
鉢合わせしそうになることもあった。そのたびに、塾生たちは手をたたき、腹をかかえて....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
の好色漢がどうどうめぐりをやっている……短刀を長靴の中に隠してね。こうして三人が
鉢合わせをしたんだが、君はあるいは第四の好色漢かもしれないぜ」
「君はあの女のこ....
「口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
策謀をしておるのも、忠義なら、それを防がにゃならんこっちも、忠義だ。忠義と忠義の
鉢合わせ。ほんに、辛い浮世じゃないかいな、と来やがらあ――どっこいしょっ、と。」....
「道標」より 著者:宮本百合子
寝台からおりて、自分の室の開け放されているドアをしめようとした。そこであやうく、
鉢合わせしそうに顔を合わせたのは、磯崎恭介だった。
「あら! あなただったの!」....
「甲賀三郎氏に答う」より 著者:夢野久作
の本来の使命を見失い、どうしていいかわからないまま、お互に議論し、足を踏み合い、
鉢合わせ合い、間誤間誤しているに過ぎないようである。近頃叫ばれている「探偵小説の....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
を想像すると、ちょうど電燈の真下の処に老爺の禿頭が来る事になる。デンキとデンキの
鉢合わせだ。嘸テカテカと光っていた事であろう。 近所|隣家は寝鎮まった、深夜の....
「地異印象記」より 著者:和辻哲郎
長く感じたが、実際はさほどでなく、もし植込みを突っ切って行けばちょうどガラス戸と
鉢合わせをするわけだったと思う。そのときにはこれが家の倒壊するほどの地震とは思わ....