鉢植え[語句情報] »
鉢植え
「鉢植え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鉢植えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
長椅子に上等のハヴァナを啣《くわ》えている。頭の上に蔓《つる》を垂らしているのは
鉢植えの南瓜《かぼちゃ》に違いない。広い葉の鉢を隠したかげに黄いろい花の開いたの....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
ので、室《しつ》の中はどうかすると汗がにじむほど暖い。そこへテエブルの上へのせた
鉢植えの紅梅が時々|支那《しな》めいた匂を送って来る。
二人の間の話題は、しば....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
壁にはルノアルやセザンヌの複製などもかかっている。ピアノも黒い胴を光らせている。
鉢植えの椰子《やし》も葉を垂らしている。――と云うと多少気が利《き》いていますが....
「季節の植物帳」より 著者:佐左木俊郎
げ》を垂れて日当たりのいい南の廊下で、暖かい陽光《ひかり》を浴びて咲き輝いている
鉢植えの福寿草を前に、老眼鏡をかけて新聞を読んでいるのや、北海道辺の新開地の農夫....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
向きの二階の縁側にはもう春らしい日影がやわらかに流れ込んで、そこらにならべてある
鉢植えの梅のおもしろい枝振りを、あかるい障子へ墨絵のように映していた。あつらえの....
「寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
「チューリップの兵隊さん」が、ピン付けになっていた。部屋の中程には小さな樅の木の
鉢植えが据えられて、繁った枝葉の上には、金線のモールや色紙で造られた、花形や鎖が....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
対しては、今日においてもこういう法律が願わくは実施せられよかしと思う。 しかし
鉢植えの花の場合でさえ、人間の勝手気ままな事が感ぜられる気がする。何ゆえに花をそ....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
ので茶漬を!」との申しつけ、やがて出されたは黒塗りの見事な膳部に誂えの品々、別に
鉢植えの茄子に花鋏一挺が添えてある。 食道楽近頃の希望を満足して先ず高麗焼の小....
「一坪館」より 著者:海野十三
い」 「花? 花ですか、あのきれいな花を?」 「そうだ、その花だ。切花でもいい。
鉢植えでもいい。これは理窟に合っているぜ」 「へえッ、どこが理窟に合っています」....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
肉ヅキがふくよかであった。この耳を育てるためにうまれてきたように見え、彼の全体が
鉢植えのキノコ、たしかに植物のように見えた。 カモ七は一同にオジギすることを忘....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
青年張教仁の備忘録の抜萃である) 夕暮れは室へも襲って来た。卓上のクロッカスの
鉢植えの花は、睡むそうに首を垂れ初めた。本棚の上に置かれてあるバスコダガマの青銅....
「兜」より 著者:岡本綺堂
た駈け込んで来た。 「御隠居さま、一大事でございます。」 茶の間の縁側に出て、
鉢植えの梅をいじくっていた勘十郎は、内へ引っ返して火鉢の前に坐った。 「ひどく慌....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
い。その花は菊、罌粟、解脱母の花、小木蓮、欝金香その他種々の花が多く御殿の椽先に
鉢植えで置いてあるです。で内殿のたたき庭になって居る間には尊き宝石が花模様に敷か....
「しんぱくの話」より 著者:小川未明
う。」 しんぱくは、人間を偉いと思いました。ここへくる人たちは、だれでも、この
鉢植えの前に足をとめて、感心して、ながめました。 「いい、しんぱくですな。」 ....
「ある男と無花果」より 著者:小川未明
ある男が、縁日にいって、植木をひやかしているうちに、とうとうなにか買わなければならなくなりました。そして、無花果の
鉢植えを買いました。 「いつになったら、実がなるだろう。」 「来年はなります。」....