銀幕[語句情報] » 銀幕

「銀幕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

銀幕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
来た。凄い大粒だ」 窓近くにいた誰かが喚くのをきっかけに、窓外の闇をすかして、銀幕を張ったような大雨が沛然と降り下りました。硝子戸をバタバタと締める音がやかま....
暗黒公使」より 著者:夢野久作
ごい技倆を持った女優は、西洋にも日本にも滅多に居ないであろう。リスリンの涙を流す銀幕スターなんか糞でも喰らえと云いたい位である。現在嘘と知っている私でさえも、ま....
映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
の殺風景な兵隊の行列である。これがその場面場面でいろいろの違ったパースペクチヴで銀幕上に映出され進行する。始めにヒロインとその保護者がこの行列を見送る場面ではヒ....
映画と生理」より 著者:寺田寅彦
それとほぼ同じようなわけで、もはや青春の活気の源泉の枯渇しかけた老年者が、映画の銀幕の上に活動する花やかに若やいだキュテーラの島の歓楽の夢や、フォーヌの午後の甘....
石油の都バクーへ」より 著者:宮本百合子
こで野天映画をやっている。音響もなく人声もせず、ただ街路樹の葉ごしに、大きく黒く銀幕の上で動く人物の足の一部分が見えたりする。――軈《やが》てそれを観に自分たち....
雨の昼」より 著者:宮本百合子
雨の往来から、くらい内部へ入って行ったら正面の銀幕に、一つ大きいシャンデリアが映し出されていた。そのシャンデリアの重く光る切子....
映画」より 著者:宮本百合子
があって、私は小さい妹をつれて、それを見物した。そのガラスづくりの巨大な建物が、銀幕の上で燃えとけて行く。やがて鉄骨だけの姿になった廃墟がうつし出されても、思い....
映画女優の知性」より 著者:宮本百合子
史も反映しているのであるから。いかにもくっきりと、よかれあしかれ特徴を押し出して銀幕の上に自身を活かし切るようなひとは、これからにその出現を期待すべきことであろうと思う。 〔一九三九年七月〕....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ると同様で、彼等の動作だけがわかるのみであります。しかし、動作だけにしてからが、銀幕の上に持廻りのすれからし物を見せられると違って、白日の下《もと》に、カッキリ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
斬ったところで始まらぬ……泰軒と栄三郎が顔を見合わせていると突如! 垂れこめる銀幕をさいて現われた左膳の舟が! ドシン! と横ざまにぶつかるが早いか、抜きつれ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
った。お座なりをいう気には一層なれなかった。 と、だしぬけに、そして、ちょうど銀幕に暗い夜の場面が映し出されたかのように、襖がすうっと開いて、梯子段の下からさ....
女坑主」より 著者:夢野久作
わ。ホホホ」 新張炭坑の女坑主、新張|眉香子は、軽く朗らかに笑った。 初期の銀幕スターから一躍、筑豊の炭坑王と呼ばれた新張|琢磨の第二号に出世し、間もなく一....
魔都」より 著者:久生十蘭
寸分違わない。 一同は椅子の蔭に身を沈めて玄関の間の方を凝視していると、そこの銀幕の上に、怪しげな幽光に包まれながら卒然と浮かび上って来たのは、猫背の、毬栗《....
岩魚」より 著者:佐藤垢石
。 ところが、門のそとの路を東から西の方へ往く若い女の姿が、映画の一駒が瞬間に銀幕を過ぎるように、賢彌の瞳に映ったのである。記憶のある美しい女の横顔。 ――....
帯広まで」より 著者:林芙美子
何も希望のない、一番厭な時代だったと云えるだろう。先途に何の目標もなかった。時々銀幕に眼を据えている事もあったけれど、それは理想的な悲劇や喜劇であって、九太には....