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「銀鈴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

銀鈴の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
軽い足音が社務所の玄関口に近づいて来たかと思われるや一緒で、訪のうた声はまさしく銀鈴のような涼しい女の声です。 「お兄様! お兄様! あの、お兄様はどこにござり....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
だ。草のなかの小径に、釘づけにされたように歩を忘れた男の耳へまたしても響いてくる銀鈴の山彦――。 「下から聞える。それに、湯のにおいがする。」男は片手を耳屏風に....
超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
を掴み出すと、みんなの鼻の先へビラビラさせて見せまわしながら、ニッコリと笑った。銀鈴のような嬌めかしい声を出したもんだ。 「……サア……皆さん。この坊ちゃんを妾....
バルザックの寝巻姿」より 著者:吉行エイスケ
にその神秘な過去が深まってゆくのを感ずるのであった。 突然、ユーストンの街路の銀鈴の響が尾をひいて、馬の踵の音が静寂な空気の中に運命的な号びをたてた。と、同時....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
みかかって、ちょいと留めて、一つ撓めておいて、ゆらりと振って放す時、得も言われず銀鈴が谺に響く。 小松原は、魂を取って扱かれるほど、ひしひしと身に堪え、 「…....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
んどん進行していくんです。ふきげんで、食慾がなく、夜はねむらないし、「小川の声は銀鈴のようにささやく。」とうたっていたし、ねえ、おかあさん、どうしたらいいんでし....
青玉の十字架」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
ランタンに叮嚀にお辞儀をした。 「友よ、私にお辞儀したもうな」ヴァランタンの声は銀鈴の如く澄み渡っていた。「さあ、われわれの先生に御挨拶申し上げよう」 かくて....
地上」より 著者:島田清次郎
た緑金の夢心地であった。しかもその夢心地の彼に「吉倉和歌子さん」と呼ぶ先生の声が銀鈴のように鳴り響いた。何という偶然。彼の次に和歌子が話をする順番であるとは彼も....
印度の詩人」より 著者:国枝史郎
川先生が「あの声を聞いただけでも若い婦人などは泣くね」と評されたほど感銘の深い、銀鈴を振るような声であった。 通訳に立ったのは、西蔵探険で有名な河口慧海師で、....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
ている。 おやじはあわてた。逃げようにも足が動かない。まごまごしていると、女が銀鈴のような声を出した。 「酒屋の主人《あるじ》であろう。このごろそなたがわたし....
三国志」より 著者:吉川英治
。孟獲は跳びおりて、林の中の一路へ走りこんだ。 すると前面から、りんりんと金鈴銀鈴をひびかせて、絹蓋涼しげに一輛の四輪車が押されてきた。孔明である。あのにこや....