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銅版画
「銅版画〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銅版画の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の一室へはいった時、そこの硝子戸棚《ガラスとだな》の前へ立って、古ぼけた何枚かの
銅版画を眺めている一人の紳士《しんし》が眼にはいった。紳士は背のすらっとした、ど....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
というのが、もしも花の冠でもつけた、オフィリヤでもあるのなら、この情景はさしずめ
銅版画の夢でもあろう。しかし、滝人の眼は、吐いてゆく言葉の優しさとは異り、異様な....
「新生」より 著者:島崎藤村
のように岸本の部屋を眺め廻した。壁紙で貼《は》りつめた壁の上には古めかしく大きな
銅版画の額が掛っていた。「ソクラテスの死」と題してあって、あの哲学者の最後をあら....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
間に鳴り響いていた。と云うのは、その壁面を飾るものに、現在は稀覯中の稀覯ともいう
銅版画で、一六六八年版の「倫敦大火之図」が掲げられているからだった。いつもならそ....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
き》の中に、見る見る鮮明さを加えて浮かび上った。極く遠方の屋根、窓、樹木までが、
銅版画の如き輪廓《りんかく》を以て一つ一つはっきりと見えて来た。視覚ばかりではな....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
もあります、私の持っているヴェニスの風景などもその一つでこれは外国から来た名勝の
銅版画か何かより写したものと思われますが図はヴェニスのサンマルコの広場の光景であ....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
技法はまったく陰影あるところの油絵風である。たぶん、西洋の油画、版画とか、石版、
銅版画の類よりのコピーであろうと思われる。 次には純粋の支那国産的なるものがあ....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
セーヌ河の古本屋、五階下の様なガラクタを売る店で、今日は面白いフランスの名所絵の
銅版画の色ズリを四枚買って来たよ。 巴里に居る間にいろいろ珍らしいものを買っと....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
尺物だ。テンポのおそい荘重なJAZZ――この滑稽な矛盾こそは現代の英吉利だ!――
銅版画の古城からきこえてくるエイル・ブルウの舞踏、英文学の古本にこぼれた混合酒の....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
・フォーブス氏の寄贈になるものであった。 で、そのうちの一冊は、書名を『捕鯨行
銅版画集、|付記、捕鯨略史』という、一八六六年の版、ジェー・アール・ブラウンとい....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
もせぬ本を楯に、君はなにを考えているのだ?」 「そうは云うがねえ支倉君、もしこの
銅版画が、僕の幻を実在に移すものだとしたら、どうするね。見給え――一八四三年八月....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
まに写生して置いた。 路地の光景が常に私をしてかくの如く興味を催さしむるは西洋
銅版画に見るが如きあるいはわが浮世絵に味うが如き平民的画趣ともいうべき一種の芸術....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
な白い蛾、小網町の鴻の巣で賞美した金粉酒のちらちら、植物園の茴香の花、大蒜の花、
銅版画は司馬江漢の水道橋の新緑、その紅と金、小林清親の横浜何番館、そうして私たち....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
) 一八〇一年――素描、G・シュタインハウザー作、これによるヨーハン・ナイドルの
銅版画がある。(複製はフェリックス・クレマン 〔Fe'lix Cle'ment〕....
「日本橋附近」より 著者:田山花袋
へと出かけて行った。それはその時分には、外国のグラフィックなどの附録についている
銅版画がよく装飾品として売れたので、それでそういう外国の古雑誌店があちこちにあっ....