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銭入れ
「銭入れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
銭入れの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
いや/\手前は貧の盗みと云わせん事がある、貧の盗みなれば何故紙入れの中の金入れか
銭入れを持って行かぬ、何で其の方は書付ばかり盗んだ」 曲「え……これはその何でご....
「道標」より 著者:宮本百合子
せのために」
伸子はその花束を眺め、ポケットからチャックつきの赤いロシア鞣の小
銭入れを出し、婆さんに三十五カペイキやって花束をうけとった。雪の下という花は、日....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
と待って」と制した。 せっかく来た汽車はまた行き過ぎてしまった。 私はふと、
銭入れの中に守札のあるのに気がついた。それで気おくれがするのだと思ってそっとまる....
「坂」より 著者:宮本百合子
ついてもモスクワが私を牽く力は強いのである。私は素頭で片手に赤い小さいロシア革の
銭入れを握ったなり、内心の止り難いものに押されて纏足をした支那女の物売りなどがい....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
ったり、稲荷を祠る時の巻物をくわえた石の狐を売る店があったり、簔虫の巣でつくった
銭入れを売る店があったり、赤い硝子の軒灯に家号を入れた料理仕出屋があったり、間口....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
札の百枚束、千円という大金のフクサ包みが出てきたが、立派な和紙で包まれていて、小
銭入れと別になっているのを見ると、人にやる金か、人から貰った金か、特別な金である....
「発明小僧」より 著者:海野十三
しかるときは、出口よりチャラチャラとお金が出てくるなり。 但し或るときは、五十
銭入れたに対して五円出てくることもあり、或いはまた一銭も出て来ぬことあり。 と....
「博物誌」より 著者:岸田国士
つは、喉をいっぱいに開けて空気を飲み込んでいる。その口から、腹の貯金箱の中へ、一
銭入れてやれそうだ。 彼女らは、水底の泥のなかから、溜息のように上って来る。 ....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
だねえこの鳩は、邪魔じゃないか歩くのにさ」 御堂の前で掌を合わせた。帯の間から
銭入れを抜き、賽銭箱へお宝を投げた。 「どうも有難う、観音様。みんなあなたのご利....
「髭の謎」より 著者:小酒井不木
しいですね?」 「ずいぶん変わり者です。蛇の皮をまいたステッキや、蟇の皮で作った
銭入れや、狼の歯で作った検印などを持って喜んでいます」 俊夫君の顔はにわかにう....
「ロボットとベッドの重量」より 著者:直木三十五
電気自動車のタクシーは、大抵、ロボットに成るらしいね。」 「僕は、乗ったよ。五十
銭入れると、扉を開けて――不便なのは、知らない所へ行けないだけだが、電気感触器が....
「呑仙士」より 著者:夢野久作
松石という男は、月末近くなると、茶褐色に変色したカンカン帽を持って、一巡する。一
銭入れる者もあれば、十
銭入れるものも在る。運よく原川社長(旧民政系代議士)が来合....
「甘話休題」より 著者:古川緑波
ーミントのゼリー。それから、自動ピアノというものが、各店に設備してあり、これも五
銭入れると、「ウイリアム・テル」だの「敷島行進曲」だのを奏するのであった。 兎....