鋒鋩[語句情報] » 鋒鋩

「鋒鋩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鋒鋩の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
平生|包《つつ》み蔵《かく》しているお延の利かない気性《きしょう》が、しだいに鋒鋩《ほうぼう》を露《あら》わして来た。おとなしい継子はそのたびに少しずつ後《あ....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
語を拝聴するはずだったね。さあ話し給え。もう邪魔はしないから」と迷亭君がようやく鋒鋩《ほうぼう》を収めると、 「向上の一路はヴァイオリンなどで開ける者ではない。....
俊寛」より 著者:菊池寛
を罵った。俊寛の名が漏れたのは、使者の怠慢であるといいつのった。が、基康が、その鋒鋩を避けて相手にしないので、今度は自分を捨てて行こうとする成経と康頼に食ってか....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
的リアリズムやトリビアリズムやミミクリーに終るべきものが、映画では嶄然たる芸術的鋒鋩を現わすのだ。自然現象に関して云えば、スクリーンは世界の物性の好さを、物質の....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
出来ない。否定は攻撃性を帯びて来る。笑いの論理は、次第にそれに固有だった論理性の鋒鋩を、否定性を、批判性を、露骨にして来る。で今や事物はその肯定の内からやがてそ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
、幾度か名誉賞を与えられた。一八五八年|牛津大学に移るに及びて、其英才はいよいよ鋒鋩を現したが、過度の勉強の為めにいたく心身を損ね、病臥数月の後、保養のために大....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
れが、まるで二重人格のように、それまでの彼にはけっして見られなかった、一種異様な鋒鋩の閃きなのであった。 法庭に天降ってくる、神の光のように、人の運命を秤ると....
新疆所感」より 著者:日野強
にイリ一帯の占領地を清国に還付せしめたるは、当時トルコとの紛擾ありて、多少露国の鋒鋩(ほうぼう)を鈍らしめたるによるといえども、そもそもまた左宗棠の※言大に力あ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
が、暫くして浮み上り、がぶ/\遣ってる処を上からスーッと一刀浴せたが、水の中ゆえ鋒鋩が肩へ中ったか何うだか様子は分りません。侍は刀を提げたなりで水面を透して見て....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
同じ仕えるなら――とは思うが、これも縁ものだからな」 角兵衛の眼にも、小次郎の鋒鋩が次第に見えてきて、きのうから、少し気味わるくなった面持である。愛すべき若鳥....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は、文献の上では、慶長七年、沢庵が三十歳の頃に始まっている。当時の沢庵は、未来の鋒鋩を蔵しつつ、まだ泉州堺|大安寺の文西西堂について、学徳の切磋に孜々たる頃であ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
形勢が全く変化し、ソ連は厖大なその東亜兵備を以て北満を圧しており、米国は未だその鋒鋩を充分に現わしてはいなかったが、満州事変以来努力しつつあったその軍備は、いつ....