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「鋪石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鋪石の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
あれば、主婦の部屋へ行って、そこのローソクの灯りで仕事をし、街を歩くにも、丸石や鋪石の上はなるだけそっと、用心深く爪立って歩くようにして、靴底が早く磨りへらない....
田舎教師」より 著者:田山花袋
持ってきたので、昨夜から文学の話が盛んにでた。ところが、ちょうど十時過ぎ、山門の鋪石道にガラガラと車の音がした。ついぞ今まで車のはいって来たことなどはないので、....
」より 著者:徳田秋声
にあった。腐りかけた門のあたりは、二、三本|繁った桐の枝葉が暗かったが、門内には鋪石など布かって、建物は往来からはかなり奥の方にあった。三方にある廃れた庭には、....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
いて、浮かんでいたところを想像すれば、今日の豆南諸島の大島、利島、三宅島などが、鋪石のように大洋に置かれているのと似て、更に大規模なる山海の布置を構成するであろ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ない」 お銀様はお君の手を取って引き立てるようにし、自分が先へ立ってお宮の前の鋪石《しきいし》を歩きました。お銀様の挙動には、いつでもこんな気むずかしいことが....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
も人並に表通りの窓枠へ支那提灯を釣り下げたり、飾紐で綾を取ったりしていると、下の鋪石からベッシェール夫人が呼んだ。 ――結構。結構。巴里祭万歳。」 新吉は手を....
新年雑俎」より 著者:寺田寅彦
してもなかなかすぐには反応がなくて立往生をしていると、凜冽たる朔風は門内の凍てた鋪石の面を吹いて安物の外套を穿つのである。やっと通されると応接間というのがまた大....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
は言った。 身をかがめて見ると、一つの影が自分の方へ寄ってきつつあった。それは鋪石《しきいし》の上をはっていた。呼びかけたのはそれだった。 豆ランプの光にす....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の街路を通りゆく泥濘《でいねい》の箱車、塵芥《ごみ》捨て場のきたない樽《たる》、鋪石《しきいし》に隠されてる地下の臭い汚泥《おでい》の流れ、それらは何であるか?....
母親」より 著者:豊島与志雄
に浮び、あたりに香りが漂っている。信子は買物袋をさげ、喜久子の手を引き、人込みの鋪石道をさけて、屋台店の後ろを通り、唐門をくぐって行く。 そこで、はたと当惑す....
街頭」より 著者:岡本かの子
合った。金棕櫚織の襟飾に手がかかる。 ――まあ、この薄情が! ちょっとお出で。鋪石へ連れ出す。 気の利いたタキシーがすぐ側へ乗りつけて来て無言で扉をあける。....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
それらの人びとは少しの音もさせずに自分たちの席につきましたが、その動いている時、鋪石の上に靴の音もなければ衣ずれの音もないのです。低い所には、鳶色のジャケツに木....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
が落合うとはこれあ不思議な※り合せだ。自分にそっくりの人間とここで二人だけでこの鋪石の上に立っているなんて、君にとっても不思議な晩に違いないだろう?」 「私には....
被尾行者」より 著者:小酒井不木
したにちがいない。そうして次の停留場で降りるにちがいない。こう思って彼は急ぎ足で鋪石を踏みならしながら、第一の横町をまがった。するとそれが、いやに人通りの多い町....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
…』 プラスビイユもよほど閉口しているらしかった。 『で、残り物と云えば出口の鋪石の上に賊どもが取り落して破したものらしいこんな象牙の破片が落ちていました。…....