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鋭利
「鋭利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鋭利の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
うに葉子を待っていた。そこに近づくと葉子はわれにもなく急におびえが出た。思いきり
鋭利なメスで手ぎわよく切り取ってしまったらさぞさっぱりするだろうと思っていた腰部....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
らざる威厳を備えつ。 制帽の庇《ひさし》の下にものすごく潜める眼光は、機敏と、
鋭利と厳酷とを混じたる、異様の光に輝けり。 渠は左右のものを見、上下のものを視....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
献身とかいう徳行が高調される。そして更にこの観念が、利己主義の急所を衝くべき最も
鋭利な武器として考えられる。 そう思われることを私は一概に排斥するものではない....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いる。ビュッフォンの考えは全く巧妙である。仮に一つの円い木板があるとして、これに
鋭利な刃物を打ち込んで、第二十二図に示すように削り屑を飛び出させるとすれば、木片....
「蠅男」より 著者:海野十三
死骸だった。そして不思議なことに、翅も六本の足も※りとられ、そればかりか下腹部が
鋭利な刃物でグサリと斜めに切り取られている変な蠅の死骸だった。よくよく見れば、蠅....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
の検案に依って、第二の屍体は、第一のそれと殆ど同時刻に殺されたもので、致命傷は、
鋭利な短刀様の兇器で背後から第六胸椎と第七胸椎との間に突立てた、創底左肺に達する....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の浴室を窺うと、彼は異常なる光景におびやかされた。 尼僧は赤裸になって、手には
鋭利らしい刀を持っていた。彼女はその刀をふるって、まず自分の腹を截ち割って臓腑を....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
られる。で、この考え方からして、最も妥当な順序を立てて見ると、先ず最初被害者は、
鋭利な刃物で心臓を一突きに刺されて絶命する。次に後手に縛り挙げられ、重を着けられ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
だよ、と目前奇特を見せ、仕方を教え、針のごとく細く、しかも爪ほどの大さの恐るべき
鋭利な匕首を仕懸けた、純金の指環を取って、これを滝太郎の手に置くと、かつて少年の....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
重ねた。彼の宗教心は飽くまで強いのであるが、しかし在来の神学的ドグマは、到底彼の
鋭利直截なる研究的良心を充たすに足りなくなったのであった。彼は自身霊媒たる前に、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
をやめてしまった。彼の声はそんなに大きくはなかったが、お座なりの会話を見抜いて、
鋭利なナイフでそれを断ち切るような独特の声音であった。一座は耳を傾けた。ブリスバ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
は無限の悲しみが湛えられていた。 右の頸筋深く、頸動脈を切断した切り創は、余程
鋭利な刃物で切ったと見えて、鋭い縁をそのまま、パクリと口を開いている。そしてそこ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
裸で、致命傷は咽喉であろう、其疵口から滾々たる鮮血を噴いていた。更に驚くべきは、
鋭利なる刃物を以て其の顔の皮を剥ぎ取ったことである。随って其の顔は判然せぬが、僅....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ず。今、我人の性質、生来おのおの別なり。万人には万人の心あり、知者あり無知あり、
鋭利なるものあり魯鈍なるものあり。もし、この人をして同一に涅槃の楽地に至らしめん....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
。 可哀想に、――彼女の洋服は胸から肩へかけて、血のりで肌にねばり着いている。
鋭利な短剣か何かで、グザと突刺したのだろうが、酷いことをしたもんだ、こんな天使の....