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「鋭鋒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鋭鋒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
我の親密なる友人知己を憎悪し或は軽蔑《けいべつ》している。が、憎悪も利害の前には鋭鋒《えいほう》を収めるのに相違ない。且《かつ》又軽蔑は多々益々|恬然《てんぜん....
グッド・バイ」より 著者:太宰治
、あなたは。まるでなってやしないじゃないの。」 行進 (三) 田島は敵の意外の鋭鋒《えいほう》にたじろぎながらも、 「そうさ、全くなってやしないから、君にこう....
家庭の幸福」より 著者:太宰治
質のものでは無かった。わが身と立場とを守る笑いだ。防禦《ぼうぎょ》の笑いだ。敵の鋭鋒を避ける笑いだ。つまり、ごまかしの笑いである。 そうして、私の寝ながらの空....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
好きやこのんで家へ引っぱりこんでいるのではないんだ、と云いだした。幹太郎は、その鋭鋒が、自分にあたって来るのを感じた。 「一体なんで気持をこじらしているんだろう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、骨を食わなければやむまいとした犬です。その都度都度、七兵衛なればこそこの犬の鋭鋒を外《はず》して来たもので――外しは外したが、それはほとんど命がけでありまし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ルクルと廻して、裸松を睨《にら》みつけていましたが、ブンブン振り廻して来る丸太の鋭鋒が当り難しと見たのか、じりじり後ろへさがるものですから、見ているものが気を揉....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
三郎を斬らんとして飛びかかって来るもののようです。駒井は提灯を楯《たて》に、その鋭鋒を避けんとするものであるかの如く見えます。 「その斬られた人々は、いずれにご....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
合せでありました。米友はこの騒ぎの途端に、表へは出ないで裏へ廻ったのは、お代官の鋭鋒をそれと知って避けたわけではなく、それと知れば、よかれ悪《あ》しかれこの男と....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
就ていうのです。ですから処女をまもるのは生活の地盤をまもるのよ」 「かつて見ざる鋭鋒だな。奥さんが処女について弁護に及ぶとは、女は共同戦線をはるてえと平然として....
文化祭」より 著者:坂口安吾
をあげたものだ。箸にも棒にもかからないノータリンの風格があった。 しかるに彼が鋭鋒を見せはじめたのは中学校へあがってからで、自転車にも乗れないから、中学校の所....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
梶せつ子のことが御心配なら、それを北川君に問いただすのは筋違いですよ。センサクの鋭鋒はあげて夫君に向けらるべきものですよ。青木君も、あなたを忘れかねているのです....
貞操問答」より 著者:菊池寛
。でも、私は劇のほか、何にも分らないの。ご免なさい!」 そう云うと、姉は新子の鋭鋒を避けるように、トントン二階へ逃げ上った。 姉と争った後味の悪い気持で、お....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
むいたが、やがて戻って来たとき、手に台紙の燃え屑が握られていた。 しかし、彼は鋭鋒を休めず、さらにウルリーケに向って続けた。 「もちろんそれだけでは、シュテッ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
屁理窟だった。私の家の空気とはまるで似ていなかった。叔母はその間に立って、叔父の鋭鋒をあしらいつつ、私や、重子をかばってくれた。叔母は賢い、物やさしい、向上心の....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
蓮華山の方面では頻りに雲が湧き上っている。其先端は黒部の谷を横切って、時々劒岳の鋭鋒に砥の粉を打ったような霧を浴びせる。五竜岳の崔嵬に続いて鹿島槍ヶ岳の峰頭には....