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鋸歯
「鋸歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鋸歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
また北米で有名な、シエラ・ネヴァダ山 Sierra Nevada のシエラは
鋸歯ということだが、ネヴァダは万年雪(〔Ne've'〕)と語原を同じゅうした「雪....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
、あるいはすこし下って、一万フィートあたりの石南花《しゃくなげ》帯をゆく。巨峰、
鋸歯状の尾根が層雲をぬき、峡谷は濃霧にみち、電光がきらめく。そして、雹《ひょう》....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
生草本だ。茎の高さ四五尺に達し、その葉には柄が無い。葉序は互生、基部狭隘、辺縁に
鋸歯状の刻裂がある。四枚の花弁と四個の萼、花冠は大きく花梗は長い。雄蕊は無数で雌....
「猿」より 著者:宮本百合子
には、鑵、硝子瓶その他、料理用の小道具が置いてある。 直ぐ前が、石塊で囲んだ炉、
鋸歯のような自在鍵から、円い煮物鍋が下っている。 椅子、薪木入等。 上手には、頑....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
印を結びたるが、作者の自像かと思わるる節あり。全体の刀法|頗る簡勁、雄渾にして、
鋸歯状、波状の鑿痕到る処に存す。底面中央に、極めて謹厳なる刀法を以て「勝空」の二....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
からぬ嶮しさであった、そうして登りよりも降りの方が、なお怖ろしかろうと思われる。
鋸歯のような岳川岳から、ここ穂高岳に列なっている岩壁は、一波が動いて幾十の波が、....
「浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
感じを与えている。たとえば富岳三十六景の三島を見ても、なぜ富士の輪郭があのように
鋸歯状になっていなければならないかは、これに並行した木の枝や雲の頭や崖を見れば合....
「霊気」より 著者:豊島与志雄
をついて見渡せば、正に天下の壮観である。目指す槍ヶ岳の尖峰は、屹然と中空に聳え、
鋸歯状に輪廓を刻んで、左手穂高岳へ連り、右手はゆるやかに延びて、双六、鷲羽、野口....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
小路からの攻撃をあまり恐れなかったのであろう。
フォラールがその戦略上の言葉で
鋸歯壕《きょしごう》とも呼びそうなものを形造ってるその自由な出口を外にし、またシ....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
至匙形ノ小葉ヲ対生スルノ状十文字鎗ノ穂ニ似タリ葉ハ細長披針形ニシテ先端尖リ周辺細
鋸歯アリ面ハ青ク背ハ淡ニシテ白粉ヲ塗抹セルガ如キ趣アリ長三四寸許新枝ハ浮毛ヲ帯ブ....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
《こうらんけい》ないし痩卵形《そうらんけい》で尖《とが》り、葉縁《ようえん》に細
鋸歯《さいきょし》がある。ほとんど無柄《むへい》で茎《くき》に互生《ごせい》し、....
「謎の女」より 著者:平林初之輔
一 左手には三浦半島から房総半島の淡い輪郭が海の中に突きだしている。 右手には伊豆半島の東側の海岸線が
鋸歯《きょし》状に沖へ伸びている。 正面には大島が水平線に浮いて見え、遥か手前....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
りの折を見て、また登り始める。 四 雲の奥岳 道はますます嶮しくなる、
鋸歯状の小峰を越ゆること五つ六つ、午後二時二十分、最高峰奥穂高「信飛界、奥穂高岳....
「涸沢の岩小屋のある夜のこと」より 著者:大島亮吉
それは実によく晴れわたった、穏な夏の夕だった。眼のまえの屏風岩のギザギザした
鋸歯のようなグラートのうえにはまだ、夕雲はかがやかに彩られていた。そしてひと音き....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
を登って行くと、栂、樺などの大木が出て来る。南に劒沢の北を限る仙人山続きの尾根が
鋸歯を苛立たせ、其左に五竜鹿島槍続きの山が物凄い色をした雲の厚襖をすっぽりと被っ....