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錐
「錐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
錐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
ねんりき》の通じたように、見る見る島の影が浮び出した。中央に一座の山の聳えた、円
錐《えんすい》に近い島の影である。しかし大体の輪郭《りんかく》のほかは生憎《あい....
「女」より 著者:芥川竜之介
だん枝の先へまつわり出した。
しばらくの後《のち》、そこには絹を張ったような円
錐形《えんすいけい》の嚢《ふくろ》が一つ、眩《まばゆ》いほどもう白々《しろじろ》....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
もっともそのまた「朝日」の空き箱には空気を通わせるつもりだったと見え、べた一面に
錐《きり》の穴をあけてあったと云うのですから、やはり半之丞らしいのには違いないの....
「或る女」より 著者:有島武郎
」
「いゝえ、お腹《なか》も痛みはじめたんですの」
「どんなふうに」
「ぎゅっと
錐《きり》ででももむように……よくこれがあるんで困ってしまうんですのよ」
古藤....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ろの道具や、武器などが運ばれてきた。彼はだんだんに成人して人間の首長となり、発火
錐で作った火を彼らに授け、また種々のルーネン(Runen)や芸術を教えた。農業、....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
をつぐんだ。 (そこでじゃがや、姉めが乳の下の鳩落な、蝮指の蒼い爪で、ぎりぎりと
錐を揉んで、白い手足をもがもがと、黒髪を煽って悶えるのを見て、鳥ならば活きながら....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
。客席の灯火がやや暗くなり、それと代って天井から強烈なスポット・ライトが美しい円
錐を描きながら降って来た。 「うわーッ、赤星ジュリアだ!」 「われらのプリ・マド....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
◯きょうも敵の一機がひどく煙をひいて、編隊に遅れたばかりか、ついに東南方向に水平
錐もみにはいったのをみて、大いにうれしかった。近ごろにないうれしさであった。下の....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
都下において血腥《ちなまぐさ》き事件でもございませんでしたでしょうか」 臼井は
錐《きり》のように鋭く問い迫る。 「昨夜は極《きわ》めて静穏《せいおん》でしたな....
「火星探険」より 著者:海野十三
まで無事進空を続けていた宇宙艇であったが、火星の高度二万メートルのところから急に
錐揉《きりもみ》状態に陥って煙の尾を曳きながら墜落を始めたのだ。 老博士以下の....
「火星兵団」より 著者:海野十三
きいん。
妙な物音だった。あまり大きな音ではなかったけれど、何だか耳の奥に、
錐で穴をあけられるような不愉快な音だった。
「うーん、いやな音だ。一体何の音かし....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
腕をつかんで力まかせにグイと引張った。 「いた、た、た、たたッ。――」 と女は
錐でもむような悲鳴をあげた。 杜は愕いて、手を放した。 女は一方の腕をのばし....
「米」より 著者:犬田卯
足とあるき出すと、鋤簾の先端が左右にかぶりを振って、それにつれて竹竿もこりこりと
錐をもむように肩の皮膚をこするのだ。勝は顔中をしかめながら亀の子のように首をすく....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
目なく、午時に至り再びオランダ領群島の対峙するを望む。その形わが富峰のごとく、円
錐形をなせるもの多し。 赤道の雲を隔つる旅路にて、富士のみ山の面影を見る 赤道....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
拭う要無し。 仕掛、座蒲団などを舳の間に持ち往きて、座を定め、水色を見ながら、
錐打ち鈴刺す快心、得も言われず。 漁『ランプの油やマッチは、受合だろうね。』 船....