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「錯綜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

錯綜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
かして私達のしぐさを見守った。 雪の上には、私達や警官達のスキーの跡がいくつも錯綜して、なかなか片杖のスキーの跡はみつからない。例のスキーの跡の終点まで行った....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
像したかと思うと、続いて行動に現われたものは、鐘楼を目している。しかし、その晦迷錯綜としたものを、過去の言動に照し合わせてみると、そこに一縷脈絡するものが発見さ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
いラテン語を説明してもらおうじゃないか」 「それはね、『|盤根の沼』というのは、錯綜たる根の沼だ。沼が盤根錯綜たる、叢林のしたにあるという意味だ。それから『|知....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ゴージャンノットの結び目に逢ったかと、折竹も嗟嘆の声をあげるばかり。という、その錯綜の謎は並べてみてさえも、皆さん、頭が痛くなるではないか。 一、クルトの父ミ....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
に歩みはじめたのであるが、艇長フォン・エッセンの死に対する疑惑は、いまやまったく錯綜たるものに化してしまった。 一同は、奇怪な恐怖に駆られて、夢の中をさ迷い歩....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
し得るものであろうと考えている。その歓喜の予感のなかで、永遠の若返りの内容が連続錯綜して開展するのである。その姿をおぼろげにながめやりながら、彼はその一々に頷い....
荘子」より 著者:岡本かの子
い鼻や岩のような額は意志的のもののようにも見える。全体からいっていろいろなものが錯綜し相剋し合っている顔だ。 荘子の腰を下している黍畑の縁の土坡の前は魏の都の....
中支遊記」より 著者:上村松園
頭を掠める旅の印象を追っていると、なお支那に遊んでいるのか、京都に帰っているのか錯綜として、不思議な気持を払いきれない。 昨日の新聞に米船ハリソン号を浅瀬に追....
旅客機事件」より 著者:大庭武年
。然しその供述を立証する何等の証左も無い事は、如何とも出来なかった。係官一同は、錯綜した事件の外貌から、出来得る限りの真意を掴み取ろうと考え、次のような可能的な....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
局禅には全く失望した。禅は思想上のキューリオ、精神上の催眠剤であって、今日の紛糾錯綜入乱れた文化の葛藤を解決し制馭する威力のないものであるというのが二葉亭の禅に....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
は一度一つの大きな水溜りに流れ合って、それにいろいろの落伍者が流れ込んで、互いに錯綜してさらに種々の流れに分れ出でて、後世見る様な雑多の様子を異にした特殊民をな....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
葉の響きの完全なリズムに、おのずから魔術めきつつ震動するのだった。 このような錯綜した対照の妙は、単に彼女の精神内にのみあるのではなかった。それは彼女の肉体の....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
感として感じられつつあったところの、思想や伝統や世の有様や我が身我が家の有様やの錯綜した全体であった。新しい表現の対象は、職人的な器用さや、使いきたりの鋳型で間....
文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
冥想的であるが、実際からの場合は暗示的である。殊に後者の場合は、前に述べた観察と錯綜し纒綿する。 思索の分野は、実に無限である。人生自然の零細な断片的な投影に....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
受けない事すらあったが、戦況困難となりモルトケが遂に出征軍の参謀長に栄転し、よく錯綜せる軍事、外交の問題を処理して大功を立てたのでその名望は高まった。国王の信任....