錯雑[語句情報] » 錯雑

「錯雑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

錯雑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武蔵野」より 著者:国木田独歩
ものが、雲と雲との間をかき乱して、すべての空の模様を動揺、参差《しんし》、任放、錯雑のありさまとなし、雲を劈《つんざ》く光線と雲より放つ陰翳とが彼方此方に交叉し....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
んなん》についてわれわれは感謝すべきではないかと思います。 まことに私の言葉が錯雑しておって、かつ時間も少くございますから、私の考えをことごとく述べることはで....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の紅蓮峰《リム・ボー・チェ》の山嶺のことでグワンとのめされた二人は、いよいよ神秘錯雑をきわめるこのケルミッシュのために、いまは、引かれるままの夢中|裡《り》の彷....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
雑作に云ったが、法水は満面に懐疑を漲らせてなおも嘆息を続けた。 「いやどうして、錯雑顛倒しているところは相変らずのものさ。かえってダンネベルグ夫人や、易介よりも....
田原坂合戦」より 著者:菊池寛
るままであった。何時までも、このままでは熊本城は危い。官軍は連日の戦闘で、部署が錯雑して陣形が乱れて居るので、改めて陣容を建なおした。三浦少将の第三旅団は山鹿口....
近時政論考」より 著者:陸羯南
るの観ありき。しかれども国民的政治は国民統一をもってその一条件となす。封建遺制の錯雑を一掃して、かの宣言書にいわゆる単一不分の共和国を立つるは、日本の維新改革に....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
でもいいから見たいものだ……」 大河の音と欷歔の声と飛び巡る蝙蝠の羽音とが相|錯雑して聞こえて来る。 「……この心願、この執着、これはもう業かも知れない。他人....
小春」より 著者:国木田独歩
の間から武蔵野にはあまり多くない櫨の野生がその真紅の葉を点出している。 『こんな錯雑した色は困るだろうねエ』と自分は小さな坂を上りながら頭上の林を仰いで言った。....
妖怪学」より 著者:井上円了
事情あり。一は習慣より生じ、一は眠息より生じ、一は意向、一は激動、一は疲労、一は錯雑より生ずるなり。まず、その第一の起こるゆえんを述ぶるに、例えば、我が輩が詩歌....
妖怪報告」より 著者:井上円了
候わば大幸と存じ、大略左に申し述べ候。元来、不文の小生に候えば、しばしば文の支離錯雑の段は、御判読を願いたく候。 三更、人定まり、四隣寂として声なし。小鳥、小....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
意向より生じ、第三は疲労より生じ、第四は眠息より生じ、第五は激動より生じ、第六は錯雑より生ずるなり。 まず第一の事情を述ぶるに、従来意力を用いてなしたることも....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
世までも幽界に出入りするの能力あるものと認められているのであるが、今はその問題の錯雑に流れるのを避けて、しばらく主として山人の側のみについて説をなしているのであ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に供せられて居るんです。 次に法王政府の組織に移ります。法王政府は非常に錯雑して居りますので充分に述べることは困難である。ことに私はそういうことを専門に....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
歌や式子内親王のお歌。そのほかにも数ある代表的な作者たちの錦繍のように経と緯との錯雑した作品。しかも綾羅のように揺曳する浮き紋や透き影の、取れば消えそうでしかも....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ュリーフェン以来独軍の主力は右翼にあるものと定まっていたのに、今日はアルデンヌの錯雑地を経て一挙北部フランスに突入した。 奇襲的効果は甚大であった。セダンの破....