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鎌首
「鎌首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鎌首の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
や》、しごき帯、……なんでもかでもが自分の肉を喰《は》む毒蛇《どくじゃ》のごとく
鎌首《かまくび》を立てて自分を待ち伏せしているように思えた。ある時はそれらをこの....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
うより恐怖《こわ》いのでな。
その時はまず人助けにずるずると尾を引いて、向うで
鎌首《かまくび》を上げたと思うと草をさらさらと渡った。
ようよう起上《おきあが....
「春昼」より 著者:泉鏡花
いると、何じゃないか、やがて半分ばかり垣根へ入って、尾を水の中へばたりと落して、
鎌首を、あの羽目板へ入れたろうじゃないか。羽目の中は、見た処湯殿らしい。それとも....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
なじような蛇が、おなじような状して、おなじように、揃って一尺ほどずつ、砂の中から
鎌首を擡げて、一斉に空を仰いだのであった。その畝る時、歯か、鱗か、コツ、コツ、コ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
の死骸の鰭のあたりから、ずるずると石段を這返して、揃って、姫を空に仰いだ、一所の
鎌首は、如意に似て、ずるずると尾が長い。 二階のその角座敷では、三人、顔を見合....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
切れないで鋼線に留った処を、電流で殺されたんだ。ぶら下った奴は、下から波を打って
鎌首をもたげたなりに、黒焦になっていた――君、急いでくれ給え、約四時間延着だ。)....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
と船が、もうその上は小蛇の力で動かんでな。底を背負って、一廻りまわって、船首へ、
鎌首を擡げて泳ぐ、竜頭の船と言うだとよ。俺は殿様だ。…… 大巌の岸へ着くと、そ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
から、拇指を出して、ぎっくり、と蝮を拵えて、肩をぶるぶると遣って引込ませて、 「
鎌首を出したはどうです、いや聞いても恐れる。」とばたばたと袖を払く。 初阪もそ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
一 「やあ、やまかがしや蝮が居るぞう、あっけえやつだ、気をつけさっせえ。」 「ええ。」 何と、足許の草へ
鎌首が出たように、立すくみになったのは、薩摩絣の単衣、藍鼠無地の絽の羽織で、身軽....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
に映った時である。 汀の、斜向うへ――巨な赤い蛇が顕われた。蘆|萱を引伏せて、
鎌首を挙げたのは、真赤なヘルメット帽である。 小県が追縋る隙もなかった。 衝....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
辺暗くなりし、青白きものあり、一条左の方より閃きのぼりて、浅尾の頬を掠めて頭上に
鎌首を擡げたるは蛇なり。※きて、その一条を掻掴み、アと云いさま投げ棄てつ。交る交....
「露肆」より 著者:泉鏡花
痛え、痛え、」 尾を撮んで、にょろりと引立てると、青黒い背筋が畝って、びくりと
鎌首を擡げる発奮に、手術服という白いのを被ったのが、手を振って、飛上る。 「ええ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
ッと力を入れたような横筋の青隈が凹んで、逆鱗の立ったるが、瓶の口へ、ト達く処に、
鎌首を擡げた一件、封じ目を突出る勢。 「一口どうかね。」 と串戯に瓶の底を傾け....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、おなじほどの距離をおいて、蜘蛛の巣と、どくだみの、石垣の穴と穴から、にょろりと
鎌首を揃えたのが、姉さんの白い腰に、舌をめらめらと吐いているんじゃあないか。――....
「活人形」より 著者:泉鏡花
顕は瞬く間と、おのが罪に責められて、得三の気味の悪さ。惨たらしゅう殺したる、蛇の
鎌首ばかり、飛失せたらむ心地しつ立っても居ても落着かねば、いざうれ後を追懸けて、....