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鎖す
「鎖す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鎖すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
艦隊じゃったのは四五年前までのことじゃ。日本が東シナ海を、琉球列島と台湾海峡で封
鎖すれば、どんなに強くなるかということは、米国がよく知っている。この辺は、日本の....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
来て雨上りの水泳場で父娘二人きりの夕飯が始まった。借家はもう半月もして水泳場が閉
鎖すると同時にたちまち二人に必要になるのだが、価値の釣り合などで敬蔵はなかなか見....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
地を限るところがあり、交際の退歩するところがある。我は開くことを希望するし、彼は
鎖すことを希望する。そんなふうに競い合って行って、彼も迫り我も迫って互いに一歩も....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
十八字皆切れ字であり、閉鎖していなければ「や」でも「かな」でも切れ字ではない。閉
鎖するとは何を意味するか。これはむつかしい問題であるが、私見によると、二つの対象....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
虫館館主が、一匹残っていた雌蝶の方を、空高く放してやった事。 (二)「昆虫館は閉
鎖する。館民は自由に立ち去るがいい」こう云いながら昆虫館館主が、建物の内へ引き籠....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
くフイと行くを、撫子|慌しく縋って留む。白糸、美しき風のごとく格子を出でてハタと
鎖す。撫子指を打って悩む。 欣弥 (続いて)私は、俺は、婦の後へは駈出せない、早....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
財天と言う順序である。 皆、参詣の人を待って、はじめて扉を開く、すぐまたあとを
鎖すのである。が、宝物庫には番人がいて、経蔵には、年紀の少い出家が、火の気もなし....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
子供とともに悦んで見ているわけにはいかない。これこそ、心ある者は子供の世界から閉
鎖するのが当然である。それにしてもチャップリンが持てる童心やキートンの童心に私は....
「美醜」より 著者:豊島与志雄
することが、彼等虫類にとって往々危険なことであろうとも、そのために、室を彼等に閉
鎖することもしたくない。 夜の灯に憧れる彼等の乱舞には、人間の些々たる懸念や配....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
しばたたいた。然しそんなことに気を遣わないで、彼は言い出した。 「この研究所を閉
鎖するという噂がありますが、本当でしょうか。本当だとすると、僕には波多野さんの考....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
ある店員十名を、改築前の広間に招き、主人から旧冬代々木初台に開設した支店を断然閉
鎖すること、設備費数千円の損害は諸君の生きた学問の月謝として清く諦めること、閉鎖....
「死の接吻」より 著者:小酒井不木
、人々は極度に恐怖した。五十人以上の職工を有する工場は例外なく患者を出して一時閉
鎖するのやむなきに至った。暑さは依然として減退しなかったので、飲んではならぬとい....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
れば夜被引被ぎて臥す。室は紙障子引きたてしのみにて雨戸ひくということもせず戸の後
鎖することもせざる、さすがに御神の御稜威ありがたしと心に浸みて嬉しくおぼえ、胸の....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
す。チベットは政治上の鎖国を厳格に守って居るけれども、通商上においては決して国を
鎖すことが出来ない。今突然通商上の鎖国をすれば、チベットは必ず大|饑饉を来たすか....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
こに住するものはみな夏服のみを用う。着岸後、歩を市中に散ずるに、日曜にて諸店を閉
鎖す。夜に入りて帰船すれば、一天片雲なく、満月檣頭にかかり、虫声露光、あたかもわ....