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鎖骨
「鎖骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鎖骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅男」より 著者:海野十三
、もっとその辺に落ちてやしませんか」 「そうやな。こら、えらいこっちゃ。――おお
鎖骨があった。まだあるぜ。――」 大川は灰の中から、人骨をいくつも掘りだした。....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
している。すでに歩む気力も尽き果てたように思われ、その喘ぐような激しい呼吸が――
鎖骨や咽喉の軟骨が急し気に上下しているのさえ、三人の座所から明瞭と見える。しかし....
「黴」より 著者:徳田秋声
色は、残暑にめげた体と一緒に、また曇んで来た。手足もじりじり痩せて、稜立った胸の
鎖骨のうえのところに大きな窪みが出来ていた。 ある知合いの医師は、聴診器を鞄に....
「風知草」より 著者:宮本百合子
くんだ――そうでしょう?」 「肺尖のところが、どうもよく見えなかったんです、丁度
鎖骨の下だもんだから。ついでに、見直しておいた方がいいでしょう。血管がそこでいく....
「鎖骨」より 著者:寺田寅彦
れだけかと思っていたが吐きけのあるのが気になった。医者が来て見ると、どうも右肩の
鎖骨が折れているらしいというので驚いて整形外科のT博士に診てもらうとやはり
鎖骨が....
「理想の女」より 著者:豊島与志雄
のである。 昏迷しきった気持ちで夜遅く帰って来ると、秀子は子供に添寝しながら、
鎖骨のとび出た胸をはだけたまま眠っていた。もしくは眠ったふりをしていた。朝眼を覚....
「電車停留場」より 著者:豊島与志雄
、何処からともなく可なり大きな石が飛んできて、身を反らし加減にしている彼の、右の
鎖骨の所へはっしと中《あた》った。 「あっ!」と彼は思わず声を立てて、
鎖骨の上を....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《ほほ》はこけ、小鼻はおち、歯齦《はぐき》は現われ、顔色は青ざめ、首筋は骨立ち、
鎖骨《さこつ》は飛び出し、手足はやせ細り、皮膚は土色になり、金髪には灰色の毛が交....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た跡であった。露《あら》わな両脛《りょうすね》は赤くかじかんでほっそりしていた。
鎖骨の上が深くくぼんでいるのを見ると、かわいそうで涙がこぼれるほどだった。彼女の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
え、とがった両肩はシャツから現われ、褐色の憂鬱《ゆううつ》な顔には血の気がなく、
鎖骨のあたりは土色をし、赤い手、半ば開いてる色あせた口、抜け落ちた歯、ほの暗い大....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《あご》をもたせ、平気なふうで足をぶらつかしていた。穴のあいた上衣からは、やせた
鎖骨が見えていた。近くの街灯はその横顔と態度とを照らし出していた。これほど心を決....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
れを戸の縁に膠着《こうちゃく》さした。
マリユスは外に残されていた。一発の弾を
鎖骨に受けたのである。彼は気が遠くなって倒れかかるのを感じた。その時彼は既に眼を....
「未亡人」より 著者:豊島与志雄
でしたか。 それにしても、高木君は気の毒でしたよ。あなたの大きな乳房の上の方、
鎖骨のあたりや肩のあたりの、脂肪の多い肌にじかに触れ、あなたの髪の香をかぎ、あな....
「予言」より 著者:久生十蘭
、銃口を曖昧に自分の胸に向け、合図と同時に笑いながら曳金をひいた。その途端、左の
鎖骨の下あたりにえらい衝撃を受け、眼の前が、芝居のどんでんがえしのように、日本を....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
じている。ところが自分は夜の十二時になると、風呂場へ黒猫を持ち込んで煮る。それは
鎖骨をとるためなのだ。「いいですか、
鎖骨というのは、男に愛情を起させるという骨な....