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鎮静剤
「鎮静剤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
鎮静剤の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
つも人間の「家」のほうに向いている。 その夜、私は前の日に医者から貰って置いた
鎮静剤を飲み、少し落ちついてから、いまの日本の政治や経済の事は考えず、もっぱら先....
「狂人は笑う」より 著者:夢野久作
……支那人の中には魔法使いみたような奴が多いのですからね。……そいつを僕の枕元の
鎮静剤の中に、すこし宛粘り込んでいるんです。そうして誰にもわからないように、僕の....
「地球盗難」より 著者:海野十三
そこには抽出があった。懸金を外して、それを開けてみると、小さい薬壜があって、頭痛
鎮静剤というレッテルが貼ってあり、その硝子壜の中には薄青色の液体が入っていた。 ....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
悪い所もないのですがね。昨夜一睡もできないと云つて大変不機嫌ですよ。なるべく弱い
鎮静剤をやつておくがいいと思うので今処方しました。午後もう一度来て見ますが、午後....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
たぐいというたら。只の一つも見当りませぬ。眠らぬ患者に麻酔の注射じゃ。騒ぐ者には
鎮静剤だよ。物を喰わねば栄養物の。注射、浣腸ぐらいのものです。下手な内科や外科に....
「キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
に引渡したものだそうですが……そうなるとそこは流石に専門家だけあって、催眠術や、
鎮静剤を巧みに使い分けながら、無事に東京まで連れて来て、自分の受持の病室に、首尾....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
あるものである。表六句の中に月が置かれているのはこの一ページのうわずるのを押える
鎮静剤のようなきき目をもっている。裏十二の中に月と花が一つずつあってこの一楽章に....
「五月の唯物観」より 著者:寺田寅彦
いう場合に、前述のごとき馬鹿げた数式でもひねくってみることが少なくも一つの有効な
鎮静剤の役目をつとめることになりはしないかと思うので、そういう
鎮静剤を一部の読者....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
不眠症だと、そう申すんですよ。頭痛がしましたり、目まいがしましたりするようです。
鎮静剤ばかりでなしに、催眠剤まで注射するようになりました。はじめは、小泉先生に診....
「冒した者」より 著者:三好十郎
ないよ。又この場でこの人が死ねば、君たちが証人で、俺はしばられる。ハハ、強心剤と
鎮静剤を打っとくだけだ。(ニヤリと一同を見まわしてから、注射する) 織子 あっ!....
「すべての芽を培え」より 著者:和辻哲郎
です。それは刺激されなくとも必要なだけには成長するのです。で、この方面にはむしろ
鎮静剤が必要なくらいです。特に恋愛の深いまじめな意味に対する感受性を鈍らせないた....