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「鎹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鎹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「乱世」より 著者:菊池寛
つの柱を当てがった。 「おや！」と、思っているうちに、大工は道具箱から一尺に近い鎹を取り出して、柱と板との継目に当てがうと、大きい金槌へ、いっぱいの力を籠めなが....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
、周囲をピッシリ釘付けにして、その上からモウ一つ、流れていた櫂を三本並べながら、鎹釘で頑丈にタタキ付けてしまった。どこで研究したものか知らないが、百人ばかりの生....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
ったという若い女を手に入れた。あろう事か、俎はなかろうよ。雨戸に、その女を赤裸で鎹で打ったとな。……これこれ、まあ、聞きな。……真白な腹をずぶずぶと刺いて開いた....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
情。何たる偏奇。新らしい陶器を買っても、それを壊して継目を合せて、そこに金のとめ鎹が百足の足のように並んで光らねば、その陶器が自分の所有になった気がしないといっ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ういう要素（家庭小説の）が実にくっきり出ています。本来的な問題をとびこえて、子は鎹《かすがい》という思想を支持していて。何か始めた、それも歴史的です。だが始めた....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
です。所が、お互に性格の底まで触れ合うくらいに馴れ親しみ、それから次には、夫婦の鎹《かすがい》と世間に云われてる子供が出来、生活が複雑になってくるに従って、妙な....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
読者の記憶するとおり、登攀《とうはん》の妙技に長じていた。梯子《はしご》もなく、鎹《かすがい》もなく、ただ筋力だけで、首と肩と腰と膝《ひざ》とで身をささえて、石....
「三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
死体は、楠の大木のくりぬきの箱に、朱を塗って納められ、五寸ほどの厚みの楠の蓋が、鎹で留められました。墓地は、本人の姓名と生年月日とで占われることもなく、ただ阮東....
「四十八人目」より 著者:森田草平
もの、または当夜に限って必要なもの、たとえば槍、薙刀、弓矢の類を始めとして、斧、鎹、玄能、懸矢、竹梯子、細引、龕灯提灯、鉦というようなものは、かねてその用意をし....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
了せたというに過ぎない。終始漫然として断片的な資材を集めたに過ぎない。釘も打たず鎹もかけていない。すぐにばらばらに崩壊する危さによって、その危さだけが逆に前後の....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
身で、あのような所へお母様を追い込み！ ……それにあそこは、あの館は、扉も雨戸も鎹や太い釘で、厳しく隙なく止めに止めて、めったに開かないようにしてあるのだよ。…....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
うな、人為的な過失によるもので御座いましょうか。……造りものの鐘の中にある木か、鎹の類が、頭にあたった――とでも申すのでございますれば、大道具の手落ち故、とも考....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ないような、白い、西洋の婦人の裸身が、戸板へ両腕を長く張って、脚を揃えて、これも鎹で留めてある。……絵で見るような、いや、看板だから絵には違いない……長剣を帯び....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
――また合点のゆかないふしがある。 それは、四隅の材木と材木との継ぎ目である。鎹付けになっているが、その鎹の穴がやたらに見える。そして継ぎ目と、木の肌の新しい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
らのように、かえりみる。 決して忘れ果てていたわけではないが、断ちきれないその鎹を、藤夜叉の口から今つきつけられて、初めて自己の“父”も実感されていたのだった....