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「鏡餅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

鏡餅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
代目の先祖は楠家から養子に来ていますよ。毎年正月には楠公の肖像を床の間に掛けて、鏡餅や神酒を供えるというじゃありませんか。」 「わたしたちの家が古いと思ったら、....
新世帯」より 著者:徳田秋声
、神棚に供えるコマコマした器などを買って来てくれた。帳場の側に八寸ばかりの紅白の鏡餅を据えて、それに鎌倉蝦魚や、御幣を飾ってくれたのもお国である。喰積みとかいう....
」より 著者:徳田秋声
に出かけて、瀬戸物などを提げて帰ることもあった。晦日になると、狭い部屋のなかには鏡餅や飾り藁のようなものが一杯に散らかって、お銀の下駄の音が夜おそくまで家を出た....
第四次元の男」より 著者:海野十三
て聞える藤田という大道人相見の先生だった。 「……」 「なんだい、その顔は。鼠が鏡餅の下敷きになったような当惑顔をしているじゃないか」 藤田師は、例によって辛....
あとがき(『宮本百合子選集』第四巻)」より 著者:宮本百合子
理解しなかったのである。 作品の年代でいうと、次にかかれたのは「小祝の一家」「鏡餅」「乳房」「突堤」である。「小祝の一家」「鏡餅」「乳房」どれも今から十四五年....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
宮《かりみや》が出来ました。その晩には仮宮の前へ、誰がするともなく、おびただしい鏡餅の供え物です。紙に包んだ金何疋のお初穂《はつほ》が山のように積まれました。 ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
出来てお燈明《とうみょう》が赤くついている。そこの前の大飾りは素張《すば》らしい鏡餅《かがみもち》が据えてあった。海老《えび》もピンとはねていた。 夜があける....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
と思う。 正月の中旬になると、甲冑のお鏡開きがあった。武門では年始に甲冑を祭り鏡餅を供えたので、それをお鏡開きの時に割って汁粉にして食べるのだ。君侯の館でもこ....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
栖庄から嘉例として八木の進献があり、武射饗三および打竹をも進上する。鳥羽庄からは鏡餅を持って来る。端午《たんご》の節句が近づくと、同じく鳥羽庄からして菖蒲の持参....
物のいわれ」より 著者:楠山正雄
た。すると蟹はあざ笑って、 「つきたての餅が坂をころがるものか。今に堅くなってお鏡餅になったら、ころがしてやろう。」 といいました。猿は腹を立てましたが、自分....
魔像」より 著者:林不忘
って、往来も出来ないほど、一ぱいの人集《ひとだか》りだ。紅白《こうはく》の小さな鏡餅を撒《ま》く。小粒を紙にひねったのをまく。慾の皮の突っ張ったのが総出で、それ....
雪渡り」より 著者:宮沢賢治
ね。仕方ないや。お前たち行くんならお餅《もち》を持って行っておやりよ。そら、この鏡餅がいいだろう。」 四郎とかん子はそこで小さな雪沓《ゆきぐつ》をはいてお餅を....
魔都」より 著者:久生十蘭
一眸におさめる八つ山の高台に、宏壮|輪奐《りんかん》を極める大邸宅がある。古式の鏡餅《おかがみ》を飾った書院造の大玄関へ今しも立現われて来たのは、黒羽二重の紋服....
深川女房」より 著者:小栗風葉
考えで見ると、何も家をお持ちなさるからって、暮に遣う煤掃きの煤取りから、正月飾る鏡餅のお三方まで一度に買い調えなきゃならないというものじゃなし、お竈を据えて、長....
夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」より 著者:北大路魯山人
ることを、私は太鼓判を捺して保証する。 餅雑炊 餅の雑炊は、正月の餅のかけら、鏡餅のかけらなどを適宜に入れてお粥を煮ることである。出来たお粥に焼いた餅を入れて....